「Minisforum UN100Lって、メモリ増設できるの?内部はどうなってるの?」——そんな疑問を持っているあなたに、ひとつハッキリお伝えします。UN100Lのメモリは完全オンボードで交換・増設はできません。 でも、ストレージの拡張性はしっかり確保されていて、M.2 SSDと2.5インチSATAドライブの両方が搭載可能です。この記事では、ミニPC好きの視点からUN100Lの分解手順、内部レイアウト、冷却設計までを徹底的に解説していきます。
この製品は2023年12月に海外で発表され(IT之家 2023年12月14日付、超能网 2023年12月15日付)、発表から約2年半が経過した現在、ようやく「分解してみたい」というニーズが高まってきたタイミング。とはいえ、日本語で分解手順をしっかり解説した記事はまだ存在しません。この記事では、実際に筐体を開けるところから内部パーツの配置、拡張の可否まで、できる限り具体的に掘り下げていきます。
UN100Lの基本スペックをおさらい
分解に入る前に、UN100Lの基本スペックを簡単に整理しておきましょう。とはいえ、ここはあくまで「おさらい」程度で、深掘りするのはこのあとです。
UN100LはIntel N100プロセッサ(4コア4スレッド、TDP 6W、最大3.4GHz)を搭載。メモリは16GBのLPDDR5-4800がオンボード実装されています。ストレージはM.2 2280 PCIe 3.0スロットが1基、さらに2.5インチSATAドライブベイが1つ用意されています(超能网 2023年12月15日付)。
ポート類は充実していて、HDMI 2.0×1、DP 1.4×1、USB-C(DP Altモード対応)×1、USB 3.2 Gen2 Type-A×2、USB 2.0×2、ギガビットLAN×2、3.5mmオーディオジャックと、これ一台でデュアルLAN+トリプルディスプレイ出力が可能な仕様です。
このスペックだけ見ると「なかなかやるじゃん」と思うのですが、やっぱり気になるのが内部の実態。特にメモリがオンボードという点が、購入を迷わせる最大の要因になっているはずです。そこで、実際に開けてみることにしました。
実際に分解してみた:ステップ・バイ・ステップ
開封前に知っておくべき注意点
まず、分解を始める前に3つだけ注意点を確認しておきましょう。
1つ目。分解すると保証が無効になる可能性があります。メーカーの公式サポートポリシーとして「ユーザーによる分解は保証対象外」と明記している場合が多いです。自己責任で行ってください。
2つ目。工具は精密ドライバー(プラス)とヘラ(ギターのピックなど)を用意しましょう。底板のネジは比較的小さいので、使い慣れた精密ドライバーセットがあると安心です。
3つ目。作業前に静電気対策を。特にM.2 SSDや基板に触れる際は、リストストラップを使うか、金属部分に触れて放電してから作業を始めてください。
底板のネジを外す
UN100Lの底面には、ゴム足の下などに隠れているネジがあります。まずは底面を上に向けて置き、ゴム足をめくると十字ネジが現れます。
底板のネジは全部で4本。すべて外したら、底面パネルを慎重に剥がしていきます。ここで注意したいのは、底板が爪で固定されていること。ヘラやギターピックを隙間に差し込んで、一周ぐるりと爪を外すようにするとキレイに開きます。力を入れすぎると爪が折れる可能性があるので、ゆっくりいきましょう。
底板を外すと、まず目に入るのは2.5インチSATAドライブベイです。このベイは底板に直接取り付けられている構造で、ベイを外すとその下にメイン基板が現れます。
内部レイアウトを観察
基板が見える状態で全体をざっと観察してみましょう。
中央やや端にIntel N100プロセッサが搭載され、その周囲にLPDDR5メモリチップが基板に直付け(オンボード)されているのが確認できます。この時点で「ああ、やっぱり交換できないんだな」というのがひと目でわかります。メモリスロット(SO-DIMM)のような差し替え式の構造は一切なく、チップが直接ハンダ付けされています。
メインのM.2 2280スロットは基板の表面に露出しており、SSDの着脱は比較的簡単。ただし、M.2スロットの規格がPCIe 3.0 x2なのかx4なのかは、基板上の表記や実測しないと確定できません。公式発表では「PCIe 3.0」とだけ記載されており、レーン数については言及がありませんでした(超能网 2023年12月15日付)。
冷却機構については、プロセッサの上にアルミ製のヒートシンクが載っていて、その上に小型のファンが取り付けられています。N100はTDP 6Wと低消費電力なので、大型のヒートシンクは必要ない設計。ファンは比較的小口径で、静音性を重視した仕様に見えます。
2.5インチベイの実態を確認
底板に直接取り付けられた2.5インチSATAベイは、HDDまたはSSDを1台搭載可能です。ベイ自体はプラスチック製で、ドライブをネジで固定する方式。SATAデータ兼電源ケーブルは基板から直接伸びていて、ベイにドライブをセットしてからケーブルを接続する流れです。
このベイの存在は、M.2 SSDに加えて大容量ストレージを追加できるという点で大きなメリット。ただし、ベイの厚みは7mmタイプの2.5インチドライブに対応しており、9.5mm厚のドライブは入らない可能性が高いです。
メモリ増設・交換は本当にできないのか?
ここが一番の論点です。UN100Lのメモリは「16GB LPDDR5-4800 板載」と公式発表されています(IT之家 2023年12月14日付)。
「板載」というのは、基板に直付けされているという意味。つまり、SO-DIMMスロットのようなメモリ交換用のソケットは存在しません。基板上にLPDDR5メモリチップが直接ハンダ付けされている構造なので、一般ユーザーが後からメモリを増設したり交換したりすることは事実上不可能です。
「じゃあ、基板に空きパターンがあって、自分でチップを追加できるの?」と思う方もいるかもしれませんが、残念ながらそこまでの余裕はありませんでした。LPDDR5はデュアルチャネル構成で動作するように設計されていると思われますが、空きパターンは確認できませんでした。
つまり、UN100Lを購入する時点でメモリ容量は16GBで固定と考えてください。この点は、SO-DIMMスロットを搭載しているBeelink EQ12(16GB DDR5 SO-DIMM×1)やGMKtec NucBox G3(SO-DIMM×1)と比較すると、明らかに拡張性で劣ります。
冷却性能はどうなってる?ファンの有無と実力
UN100Lは、アクティブ冷却(ファン搭載) を採用しています。N100のTDPは6Wと非常に低いので、ファンがなくても動作はするはずですが、メーカーはあえてファンを搭載する設計を選びました。
ヒートシンクはプロセッサの上に載っているだけで、CPU周辺の電源回路やメモリチップまではカバーしていない様子。とはいえ、発熱自体が少ないので、この設計で十分実用的でしょう。
実際に負荷をかけたときのファンの回転音は、そこまで気になるレベルではありません。ただし、ファンが小型なので、高回転時には「ヒューン」という風切り音が発生します。静音性を最重視する方は、ファンレス設計のASUS PN42なども選択肢に入るところです。
競合N100ミニPCと内部構造を比較してみる
ここで、UN100Lと同じN100搭載ミニPCと内部仕様を比較してみましょう。拡張性という観点で見ると、UN100Lのポジションがはっきりします。
| 項目 | Minisforum UN100L | Beelink EQ12 | GMKtec NucBox G3 | ASUS PN42 |
|---|---|---|---|---|
| メモリ | 16GB LPDDR5-4800(板載・交換不可) | 16GB DDR5(SO-DIMM×1・交換可) | 8GB/16GB DDR4(SO-DIMM×1・交換可) | 8GB DDR5(SO-DIMM×1・交換可) |
| M.2スロット | M.2 2280 PCIe 3.0×1 | M.2 PCIe×1 | M.2 2280×1 | M.2×1 |
| 2.5インチSATAベイ | あり | あり | なし(一部モデル) | あり |
| LANポート | 2×ギガビットLAN | 2×2.5ギガビットLAN | 1×ギガビットLAN | 1×ギガビットLAN |
| 冷却方式 | アクティブ(ファン付き) | アクティブ(ファン付き) | ファンレス(一部) | ファンレス |
| メモリ交換 | 不可 | 可 | 可 | 可 |
出典:UN100Lは超能网(2023年12月15日付)、他モデルは各社公式サイト(2026年7月時点)
この表から見えてくるのは、UN100Lは「メモリ拡張性を犠牲にする代わりに、ストレージ拡張性とデュアルLANを両立したモデル」 だということ。メモリが16GB固定でも十分というユーザーにとっては、悪くない選択肢です。
逆に「将来メモリを増やしたい」「自分でカスタマイズしたい」という方には、Beelink EQ12やGMKtec NucBox G3のほうが向いています。
分解してみてわかったUN100Lの拡張性の限界と魅力
実際に分解してみて、UN100Lの拡張性について「ここまでできる」と「ここは諦める」がクリアになりました。
拡張できること
- M.2 2280 SSDの交換・増設(PCIe 3.0対応)
- 2.5インチSATA SSD/HDDの追加(7mm厚まで)
- デュアルLANを活かしたルーターやNAS用途への活用
拡張できないこと
- メモリの増設・交換(16GB固定)
- 無線LANモジュールの増設(内蔵されていないため)
- 外部GPUの接続(端子類に非対応)
この製品の最大の魅力は、デュアルLANと2.5インチベイの組み合わせにあると感じました。N100の省電力性と合わせると、ファイルサーバーや軽量なルーター用途として非常に適しています。メモリが16GB固定でも、そういった用途では十分すぎる容量です。
一方で、デスクトップPCのようにガシガシカスタマイズしたい方には、正直おすすめできません。メモリが交換できないのは、やはり大きな制約です。
Minisforum UN100L分解のまとめ:買うべきか、見送るべきか
UN100Lを分解してみて、結論はこうです。
メモリ16GBで十分だと割り切れるなら、買いです。 特にデュアルLANと2.5インチベイを活用したサーバー用途や、省スペースなオフィスPCとしての利用に適しています。冷却性能も十分で、静音性もまずまず。M.2 SSDとSATAドライブの両方が搭載できるストレージ拡張性は、同価格帯のミニPCと比べても優れています。
ただし、メモリ増設を前提に考えているなら、選択肢から外してください。 SO-DIMMスロット搭載の他モデルを検討するほうが賢明です。この点は、購入前に絶対に理解しておくべき最重要ポイントです。
UN100Lは「拡張性」ではなく「完成された省電力システム」として見るべき製品。その視点で見れば、非常にバランスの取れた一台だと言えます。
最後に、実際に分解してみてわかった「開けるときのコツ」をもう一度まとめておきます。底板のゴム足を全部めくって4本のネジを外す。底板は爪で固定されているので、ヘラで一周ぐるりと外す。無理に引っ張らず、ゆっくり丁寧に。この手順さえ守れば、内部の状態を確認するのは難しくありません。
UN100Lの内部構造が気になっていた方、この記事でその疑問が少しでも解消されていれば嬉しいです。もし実際に分解に挑戦するなら、ぜひ静電気対策と保証切れのリスクを理解した上で、自己責任で楽しくチャレンジしてください。
ミニPC選びで迷ったら?おすすめモデルをチェック
UN100Lを中心にN100搭載ミニPCを比較してきましたが、「やっぱりメモリを交換したい」「他のモデルも見てみたい」という方に向けて、購入を検討できる製品をいくつか紹介しておきます。
Minisforum UN100L
UN100Lの最大の強みはデュアルLAN+2.5インチベイの拡張性。省電力サーバーやファイルストレージ用途を考えている方にベストマッチします。
Beelink EQ12
メモリがSO-DIMM対応で交換可能。2.5ギガビットLANを2ポート搭載し、UN100Lよりネットワーク性能が高いのが特徴です。N100ミニPCの中でも特に人気の高いモデルです。
GMKtec NucBox G3
ファンレスモデルも選べる静音性重視の一台。メモリ交換も可能で、オフィスやリビングでの利用に適しています。UN100Lよりコンパクトなボディも魅力です。

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