デスクの上に置く場所が限られているけれど、ちゃんとゲームも楽しめるPCが欲しい――そんな悩みを持つ人に注目されているのが、GEEKOMのゲーミングミニPCです。
一般的にミニPCは「省電力でオフィスワーク向け」というイメージが強いですが、GEEKOMはコンパクトな筐体に本格的なゲーミング性能を詰め込んだモデルを複数展開しています。
この記事では、GEEKOMのゲーミングミニPCについて、各モデルの特徴や性能の違い、価格帯、実際のレビューで指摘されているポイントまで、バランスよく解説していきます。
GEEKOMのゲーミングミニPCを選ぶ前に知っておきたいこと
GEEKOMは台湾を拠点とするミニPCメーカーで、コンパクトさと性能の両立を得意としています。ゲーミング向けモデルは、大きく分けて以下の3つのタイプがあります。
- 独立GPU搭載モデル(例:MEGAMINI G1)
- 高性能APU搭載モデル(例:A9 Max)
- Intel内蔵GPU搭載モデル(例:IT15)
どのモデルを選ぶかは、「どんなゲームをどのくらいの画質で遊びたいか」で大きく変わります。また、ミニPCならではの冷却性能や騒音レベル、拡張性も重要な判断材料です。
各モデルの特徴と選び方
ここからは、GEEKOMのゲーミング向けミニPCの主要モデルを詳しく見ていきます。
1. GEEKOM MEGAMINI G1 – 本格ゲーミングをコンパクトに
MEGAMINI G1は、GEEKOMのフラッグシップゲーミングモデルです。「世界最小の水冷ゲーミングミニPC」を謳い、6リットル以下の筐体にハイスペックなパーツを詰め込んでいます。
主なスペック
- CPU:Intel Core i9-13900HK(モバイル向け高性能CPU)
- GPU:NVIDIA GeForce RTX 4060 8GB(モバイル向けチップ)
- メモリ:32GB DDR5-5200
- ストレージ:2TB SSD
- サイズ:255×150×150mm
- 冷却方式:水冷+空冷のハイブリッド
メリット
RTX 4060を搭載しているため、1080p解像度のゲーミングが快適に楽しめます。最新のAAAタイトルも、設定を調整すれば十分プレイ可能なレベルです。コンパクトながらポート類も充実しており、OCuLinkに対応しているので外付けGPU(eGPU)による拡張も視野に入れられます。
デメリット
価格が非常に高価で、MSRPは約1,899ドル(記事執筆時点の参考価格)となります。また、専門メディアのレビューでは、パフォーマンスモードでCPU温度が100℃を超え、クロックダウンが発生するという指摘があります。見た目上の水冷ループは装飾的要素が強いとする意見もあり、冷却性能の実力についてはやや注意が必要です。
向いている人
デザイン性とコンパクトさにこだわり、場所を取らないハイエンドゲーミング環境を求める人。予算に余裕があり、ミニPCというフォームファクターに価値を感じるユーザーに向いています。
向いていない人
コストパフォーマンスを最優先する人や、デスクトップ版GPUと同等の生のパフォーマンスを求める人にはやや不向きです。同じ予算で組める自作PCの方が、場合によっては高い性能を得られる可能性もあります。
購入前の注意点
パフォーマンスモードでの安定性に関するレビューがあるため、購入前に自分の使いたいゲームや使用環境で問題ないかを確認するとよいでしょう。価格は変動する可能性があるため、購入時点で公式情報を必ずチェックしてください。
2. GEEKOM A9 Max – 内蔵GPUでここまで遊べる
A9 Maxは、AMDの最新APU「Ryzen AI 9 HX 370」を搭載したモデルです。CPUに統合されたRadeon 890M(RDNA 3.5アーキテクチャ)のグラフィックス性能が大きく向上しており、内蔵GPUながらゲームを楽しめる点が特徴です。
主なスペック
- CPU:AMD Ryzen AI 9 HX 370(12コア)
- GPU:Radeon 890M(内蔵GPU)
- メモリ:32GB DDR5-5600(最大128GBまで拡張可能)
- ストレージ:2TB SSD
- サイズ:135×132×46.9mm(約0.8L)
- 冷却方式:空冷
メリット
筐体は0.8リットルと非常にコンパクトで、デスクの上に置いてもほとんど場所を取りません。それでいて、ゲームもそこそこ遊べるのが強みです。専門メディアのベンチマークでは、Cyberpunk 2077をミドル設定+FSRバランスで約61fps、Call of Duty: Black Ops 6をバランス設定で約77fpsという結果が出ています。
ポート類も充実しており、USB4端子を2基、HDMI 2.1を2基、2.5GbEポートを2基搭載。メモリ拡張性が高いのも長く使えるポイントです。
デメリット
OCuLinkには非対応で、外付けGPUを使う場合はUSB4経由となる点は注意が必要です。パフォーマンスモードでは冷却ファンの騒音が大きくなるというレビューもあります。
向いている人
超小型PCで、そこそこのゲーミング性能とAI処理やクリエイティブワークを両立させたい人。デスクをすっきりさせたいが、ゲームも完全には諦めたくないというユーザーに向いています。
向いていない人
最新のAAAタイトルを高画質・高フレームレートで楽しみたい人には物足りない可能性があります。また、OCuLinkでのeGPU拡張を前提にしている人も選択肢から外れるでしょう。
購入前の注意点
iGPUに割り当てるVRAMはBIOSから調整可能(最大24GB)なので、ゲームに合わせて設定を変更するとより快適になります。価格は英国で£999(記事執筆時点の参考価格)です。日本での販売価格は変動する可能性があるため、購入時に公式情報を確認してください。
3. GEEKOM IT15 – 仕事とライトゲームの両立に
IT15は、Intelの最新CPU「Core Ultra 9-285H」と内蔵GPU「Intel Arc 140T」を搭載したモデルです。ゲーミング性能よりも、省スペースで高い処理能力を求めるユーザー向けの位置づけになります。
主なスペック
- CPU:Intel Core Ultra 9-285H
- GPU:Intel Arc 140T(内蔵GPU)
- メモリ:最大64GB DDR5-5600
- サイズ:117×112×45.5mm
- 対応:VESAマウント
メリット
非常にコンパクトで、ディスプレイの裏に取り付けることも可能。オフィスワークやWebブラウジング、動画編集などの日常的な作業は快適に行えます。静音性も高く、仕事用PCとしての完成度は高いです。
デメリット
ゲーミング性能は限定的です。専門メディアのレビューでは、比較的負荷の軽いタイトルでも低設定でカクつきが発生するという結果が出ています。本格的なゲーミング用途には向きません。
向いている人
メインは仕事用で、たまに軽いゲームも楽しめれば十分という人。超小型PCでデスク周りをすっきりさせたいユーザーに向いています。
向いていない人
本格的なゲーミングPCを求めている人は、IT15ではなくMEGAMINI G1やA9 Maxを検討した方がよいでしょう。
購入前の注意点
価格は欧州で€1,099~1,299(記事執筆時点の参考価格)と、ゲーム性能に対しては割高に感じるかもしれません。「仕事用+ライトゲーム」という使い方にマッチするかどうか、自分の用途と照らし合わせて判断してください。
4. GEEKOM GT1 Mega – クリエイティブ用途も視野に
GT1 Megaは、Intel Core Ultra 9 185HとIntel Arc内蔵GPUを搭載したモデルです。IT15よりひとつ前の世代のCPUになりますが、接続性の高さが特徴です。
主なスペック
- CPU:Intel Core Ultra 9 185H
- GPU:Intel Arc(内蔵GPU)
- メモリ:32GB DDR5-5600
- ストレージ:2TB SSD
- サイズ:135×132×44.35mm
メリット
前面にUSB 3.2 Type-Aポートを4つ備え、デュアルUSB4、デュアル2.5GbEと、拡張性や接続性が非常に優れています。動画編集などのクリエイティブワークにも対応できる性能を持っています。
デメリット
ゲーミング性能は軽いタイトルに限られます。また、レビューでは負荷時の発熱とスロットリングの問題が指摘されており、長時間の高負荷作業には注意が必要です。CPUがIT15よりも旧世代でありながら、価格がそこまで変わらないケースもあるため、選択には慎重さが求められます。
向いている人
ゲームよりも動画編集やクリエイティブワークがメインで、多数の周辺機器を接続したい人。IT15と比較して、コネクタの豊富さを重視する場合に向いています。
向いていない人
本格ゲーマーや、最新のCPU性能を求める人はIT15を選んだ方がよいでしょう。
購入前の注意点
発熱とスロットリングのレビューがあるため、長時間の高負荷使用を想定する場合は冷却環境を考慮してください。価格は英国で£949(記事執筆時点の参考価格)です。
GEEKOMゲーミングミニPCを選ぶ際の3つのチェックポイント
ここまで各モデルの特徴を紹介してきましたが、実際に選ぶ際に押さえておきたいポイントを整理します。
チェックポイント1:GPU性能で選ぶ
ゲーミングPCにおいて最も重要なのはGPUです。
- MEGAMINI G1:RTX 4060搭載で最もゲーム向き
- A9 Max:Radeon 890Mでそこそこのゲームが可能
- IT15/GT1 Mega:内蔵GPUでライトゲーム向け
「どんなゲームをどの設定で遊びたいか」をまず決めましょう。重い3Dゲームを楽しみたいならMEGAMINI G1、あまり要求が高くないゲームやインディーゲームが中心ならA9 MaxやIT15でも十分な場合があります。
チェックポイント2:冷却性能と騒音
ミニPCはどうしても放熱に制約があります。MEGAMINI G1は水冷を採用していますが、専門メディアのレビューではパフォーマンスモードで過熱が指摘されています。A9 Maxもパフォーマンスモードでは騒音が大きくなるという声があります。
実際に使う際は、負荷のかかるゲームを長時間プレイする場合の冷却や騒音を想定して選ぶとよいでしょう。
チェックポイント3:価格とコストパフォーマンス
GEEKOMのゲーミングミニPCは、いずれもコンパクトさにプレミアムが乗った価格設定です。同じ予算でデスクトップPCを組む場合と比較して、どの程度の価値を得られるかも検討材料になります。
特にMEGAMINI G1は高価なため、「コンパクトさ」と「デザイン」にどこまでお金を出せるかが分かれ目になるでしょう。
よくある質問
GEEKOMのミニPCでAAAタイトルは遊べますか?
MEGAMINI G1であれば、RTX 4060搭載により1080pでのAAAタイトルプレイが可能です。ただし、設定やタイトルによっては調整が必要な場合があります。A9 Maxでも設定次第で遊べるタイトルは増えていますが、最新の重いタイトルでは厳しいケースもあるでしょう。
MEGAMINI G1の水冷は本物ですか?
公式情報では水冷システムを搭載しているとされています。ただし、専門メディアのレビューでは、見た目の水冷ループは装飾的で実際の冷却は別の機構が担っている可能性が指摘されています。冷却性能自体は空冷+水冷のハイブリッド方式で動作しています。
外付けGPU(eGPU)は使えますか?
MEGAMINI G1はOCuLinkに対応しているため、外付けGPUの接続が可能です。A9 MaxはOCuLink非対応で、USB4経由でのeGPU接続に制限されます。IT15やGT1 MegaもUSB4経由で対応可能なケースがありますが、詳細は公式情報をご確認ください。
どのモデルが一番おすすめですか?
目的によって異なります。
- 本格ゲーミング重視:MEGAMINI G1
- コンパクトさとそこそこのゲーム性能:A9 Max
- 仕事がメインでたまにゲーム:IT15
予算や使いたいゲーム、重視するポイントを整理して選ぶとよいでしょう。
まとめ
GEEKOMのゲーミングミニPCは、「コンパクトさ」と「ゲーミング性能」を両立させたいユーザーにとって魅力的な選択肢です。特にMEGAMINI G1は、RTX 4060を搭載した小型ゲーミングPCとして唯一無二の存在感を持っています。
一方で、価格の高さや冷却性能への懸念、内蔵GPUモデルではゲーム性能に制約がある点も理解したうえで選ぶことが大切です。
各モデルの特徴やメリット・デメリットを比較し、自分のプレイしたいゲームや使用環境に合った一台を選んでください。購入を検討する際は、価格や在庫状況が変動する可能性があるため、必ずGEEKOM公式サイトや正規販売店で最新情報を確認することをおすすめします。
GEEKOMのゲーミングミニPCは、場所を取らない新しいゲーミングスタイルを提案してくれる製品です。ぜひこの記事を参考に、あなたにぴったりの一台を見つけてください。


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