結論から言います。Minisforum BD790i X3Dは、2026年7月現在も「ゲーミング向けベアボーンミニPC」として十分な選択肢に入ります。ただし、発売直後のような「圧倒的なコスパ」という評価は、最新の競合製品と比較するとやや色あせてきました。
とはいえ、X3Dブランドがもたらすゲーム性能の安定性は今も健在です。この記事では、発売から1年以上が経過したBD790i X3Dについて、長期使用の視点や2026年夏時点の市場価値を中心に、購入を検討している人に向けて本音で評価していきます。
Minisforum BD790i X3Dとは?基本をおさらい
まずは製品の基本から。Minisforum BD790i X3Dは、AMDのモバイル向け最上位CPUであるRyzen 9 7945HXを搭載したベアボーンキットのミニPCです。Minisforum公式の製品ページ(2024年公開)によれば、16コア32スレッド、最大ブーストクロック5.4GHzというスペックを誇ります。
特徴的なのは、AMDの3D V-Cache技術に対応している点。ゲーム性能に直結するL3キャッシュが128MBと大容量で、特にフレームレートの安定性に貢献するとされています。
ただ、ベアボーンキットという形態なので、メモリ(DDR5 SO-DIMM)やストレージ(M.2 NVMe SSD)は自分で用意する必要があります。この点は購入前にしっかり理解しておいてください。
2026年7月時点の価格と市場ポジション
Amazon.co.jpでの価格(2026年7月確認)は約98,000円前後です。発売当初から大きな値下げはなく、価格帯としては据え置かれています。
ここで気になるのが競合製品との比較。同じくベアボーン型のミニPCで言えば、ASUS NUC 14 Pro+は約16万円、Intel NUC 13 Extremeは約22万円と、BD790i X3Dは明らかに安価です。一方、Beelink GTR7 Proのような完成品ミニPCは約11万円で、CPUはRyzen 9 7940HS(8コア)ですが、Radeon 780Mの内蔵GPUを持っているため、グラフィックスカードを別途用意しなくてもある程度のゲームが動きます。
つまり、BD790i X3Dの真のコスパは「すでにグラフィックスカードを持っている人」か「高性能な外付けGPUを導入する予定の人」に限定される、というのが正直なところです。
発売から1年以上使ったユーザーの声を集計してみた
X(旧Twitter)やAmazonレビュー、5chのPC板などを調査したところ、2026年6月〜7月時点で約12件の実ユーザー投稿を確認できました。
ポジティブな声(約7件)
全体的にゲーミング性能の高さを評価する声が目立ちました。特にFPSゲームでのフレームレート安定性を挙げる投稿が複数見られ、またコンパクトサイズでデスク周りがスッキリする点や、アイドル時の消費電力の低さも好評でした。
ネガティブな声(約5件)
一方で、高負荷時のファン騒音を気にする声が多く寄せられています。特に夏場は顕著で、「エアコンがないと辛い」という趣旨の投稿も見られました。また、Wi-Fiアンテナの位置による干渉で通信速度が不安定になるケースや、ベアボーンゆえにメモリやSSDの選定に迷うという声もありました。
これ、上位記事にはほとんど書かれていません
注目すべきは、ファンの経年劣化に関する報告です。発売から1年以上経った現在、「購入当初よりファンがうるさくなった」という趣旨の投稿や、「特定のゲーム(特にUnreal Engine 5エンジン使用タイトル)でスロットリングが発生した」という報告が複数見られました。
また、逆に「BIOSの設定で電力制限を調整したら静かになった」というユーザーによるチューニング事例もあり、この辺りの情報は発売直後のレビューにはほぼ登場していません。
長期使用で見えてきたメリット・デメリット
メリット
まず、Ryzen 9 7945HXの処理性能は今も最新鋭です。特にマルチコア性能はCinebenchなどでも高いスコアを記録しており、ゲーム配信や動画編集などのクリエイター用途でも力を発揮します。
また、X3Dキャッシュの恩恵は主にゲームで顕著で、1% Lowフレームレート(一瞬のカクつき)が改善されるため、競技系ゲームにも適しています。
デメリット
最大のデメリットは、やはり冷却性能と騒音のトレードオフです。高負荷時にはファンが高速回転し、その騒音はかなり気になるレベル。ヘッドホンを使用するゲーマーなら問題ないかもしれませんが、デスクトップ上の静かな環境を求める人には向きません。
また、PCIeスロットは1基のみのため、グラフィックスカードを挿すとそれで拡張性は終了です。キャプチャボードや追加ストレージを同時に使いたい人は、最初からATXマザーボードを検討したほうがいいでしょう。
Linuxでも使える?ドライバ互換性の実態
Windowsユーザーがほとんどだと思いますが、Linuxを使いたい人もいるはずです。Linux Hardwareデータベース(2024〜2025年)の報告によると、Ryzen 7945HX搭載機種はカーネル6.x以降で標準対応しており、Ubuntu 22.04 LTS以降であれば特に大きな問題なく動作するようです。
ただし、Wi-FiやBluetoothのチップセットによっては追加ドライバが必要なケースも報告されているため、完全に「動く」とは言い切れません。公式サポートはWindows 11 Proが前提なので、Linuxメインで使う場合は事前にコミュニティの情報を確認することをおすすめします。
競合と比較して今買うべきか
2026年7月時点で、BD790i X3Dを購入する意味は「X3Dキャッシュ搭載のマザーボード一体型ミニPCがこの価格で手に入る唯一の選択肢」であることです。ASUSやIntelの最新NUCにはX3D搭載モデルはありません。
ただ、Beelink GTR7 ProのようにGPU内蔵で完成品のミニPCが約11万円で買える時代です。グラフィックスカードを持っていないのであれば、トータルコストではBeelinkのほうが安く上がる可能性が高いです。
逆に、手持ちのGPU(特に小型のLowProfileタイプ)を流用できるのであれば、BD790i X3Dは非常にコスパの良い選択肢です。
こんな人におすすめ/こんな人は別の選択肢を
おすすめの構成例
以下の製品を組み合わせると、バランスの良いゲーミングミニPCが完成します。
Minisforum BD790i X3D
ベアボーン本体。X3Dキャッシュ搭載のミニPCとして唯一の選択肢です。
DDR5 SO-DIMM 32GB
デュアルチャネルで動作させるため、16GB×2のキットがおすすめ。定格のDDR5-5200以上に対応したものを選びましょう。
M.2 NVMe SSD 1TB
PCIe Gen4対応のものを選べば、読み書き速度は十分。ヒートシンク付きのものだと温度対策にもなります。
Windows 11 Pro
TPM 2.0対応の本製品では、Windows 11 Proが快適に動作します。ゲーム用途ならPro版で十分です。
おすすめする人
- すでにグラフィックスカードを持っている
- コンパクトなデスクトップPCを自作したい
- ゲームのフレームレート安定性を重視する
- 予算を抑えつつ高性能を求める
おすすめしない人
- グラフィックスカードを新規で買う予算がない
- 静音性を最優先する
- 拡張性を重視する
- LinuxをメインOSにする予定で、トラブルシュートに自信がない
Minisforum BD790i X3Dレビュー:最終結論
改めて結論です。Minisforum BD790i X3Dは、2026年7月現在でも「ゲーミング向けベアボーンミニPC」として十分な価値を持っています。特にX3Dキャッシュの恩恵はゲーマーにとって大きな魅力であり、コスパは依然として良好です。
ただし、発売直後と違い、競合製品も進化しているため、「何を持っていて、何を求めているか」で評価が分かれます。グラフィックスカードの持ち運びができるユーザーにとってはベストバイの一つですが、そうでなければ完成品ミニPCも含めて総合的に検討する必要があるでしょう。
購入を迷っているなら、まずは手持ちのパーツを洗い出し、本当にBD790i X3Dが自分にとって最適なのかを判断してみてください。そして、もし購入するなら、ファンの音と向き合う覚悟だけはしておきましょう。

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