同じCPUを搭載していながら、まったく異なるキャラクターを持つMinisforumの製品群。結論から言うと、「ゲーミングならAtomMan G1 Pro」「自作家ならBD895i SE」「サーバー運用ならMS-A2」 がそれぞれ最適解です。この3製品、同じRyzen 9 8945HXを積みながら、価格も拡張性も得意分野も大きく異なります。この記事では、2026年6月に正式発表されたG1 Proを含む最新情報をもとに、それぞれの製品を徹底比較していきます。
Minisforum Ryzen 9 8945HX搭載製品の概要
そもそもRyzen 9 8945HXは、AMDのモバイル向け最上位CPUです。Zen 4アーキテクチャを採用し、16コア32スレッド、最大ブーストクロック5.4GHzというスペックを誇ります。5nmプロセスで製造されており、高性能ながら消費電力のコントロールがしやすいのが特徴です。
MinisforumはこのCPUを、なんと3つのまったく異なる製品カテゴリに搭載しています。完成品ゲーミングPC、自作向けマザーボード、そしてワークステーションです。通常、同じCPUを採用していれば製品ラインナップは似通うものですが、Minisforumの戦略はユニーク。それぞれの製品で「何を重視するか」が明確に分かれているため、自分の使い方に合わせた選択ができるようになっています。
2026年に入って相次ぐ新モデルの登場
この分野では、2026年に入ってから重要な動きがいくつかありました。
まず2026年3月、MS-A2ワークステーションにRyzen 9 8945HX搭載モデルが追加されました(Guru3D 2026年3月報じ)。もともとMS-A2はIntelモデルがありましたが、AMDファンからは待望のラインアップ追加でした。ベアボーン価格は約766ドルからと、ワークステーションとしては比較的抑えめの価格設定です。
そして2026年6月25日、ついにAtomMan G1 Proが正式発表・発売開始されました(TechPowerUp 2026年6月発表)。こちらはデスクトップ版RTX 5060を搭載したゲーミング特化モデルで、3.8リットルの小型筐体に詰め込まれたパワーが話題を呼んでいます。価格は32GB/1TB構成で1,439.90ドルからとなっています。
これらの最新モデルを踏まえつつ、2025年12月に発売されたBD895i SE(エルミタージュ秋葉原 2025年12月報道)も含めて、3製品を徹底比較していきましょう。
3製品のスペックを用途別に比較
冒頭の結論をもう少し詳しく見ていきます。同じCPUを搭載していながら、この3製品は「何に特化しているか」がまったく違います。
ゲーミング最強:AtomMan G1 Pro
まずゲーマーに真っ先におすすめしたいのがG1 Proです。この製品の最大の特徴は、デスクトップ版RTX 5060を搭載している点。ノートPC用のモバイルGPUではなく、デスクトップ用のGPUがそのまま載っています。消費電力は145W(超能网 2025年11月報道)で、CPUの100Wと合わせてシステム全体で最大245Wのパフォーマンスを発揮します。
筐体サイズは215×57×315mm、重量は3.81kg(Notebookcheck 2025年10月報道)と、デスクトップGPU搭載機としてはかなりコンパクト。350Wの電源を内蔵しており、電源ユニットを別途用意する必要がありません。
パフォーマンスモードは「サイレント」「バランス」「パフォーマンス」の3つから選択可能。それぞれCPUのTDPが60W/80W/100Wと変化し、騒音値も40dB〜52dB程度に変動します(Notebookcheck 2025年10月公表値)。ゲームをするときはパフォーマンスモードで、動画編集や軽い作業のときはサイレントモードで使うなど、シーンに合わせた運用ができるのが強みです。
自由度最強:BD895i SE
次に、自作PCにこだわりたい方向けがBD895i SEです。これはMini-ITX規格のマザーボードで、CPUがすでにオンボード実装された状態で販売されています。価格はベアボーンで約423.90ドル(Minisforum JP 2025年12月時点)と、3製品の中では最も手頃です。
グラフィックは内蔵のRadeon 610Mのみなので、ゲームをするなら別途グラフィックボードが必要です。ただしPCIe 5.0 x16スロットを搭載しており(3DNews 2025年12月報道)、最新のGPUを載せることも可能。M.2スロットやDDR5-5200対応のメモリスロットも備えているので、自分好みの構成にカスタマイズできます。
ネットワークは2.5GbE LANが1ポート。一般的な家庭用ネットワークには十分ですが、高速ネットワークを活用したい場合は後述のMS-A2が適しています。CPUクーラーも付属しているので、別途購入する手間が省けるのも初心者DIYerには嬉しいポイントです。
サーバー・仮想化最強:MS-A2
そしてホームサーバーや仮想化環境(ProxmoxやESXiなど)を運用したい方におすすめなのがMS-A2です。
この製品の最大の特徴は、デュアル10Gbps SFP+ポートを搭載している点(Minisforum JP公式ブログ 2026年3月)。さらに2.5GbEポートも2つ備えており、合計4つのネットワークポートを持っています。ファイルサーバーやルーター用途、あるいは複数の仮想マシンを運用する際に、このネットワーク構成は非常に強力です。
PCIeスロットは物理的にはx16ですが、電気的にはx8動作となる点には注意が必要です(Guru3D 2026年3月報道)。最新のGPUをフル性能で使いたい場合はG1 ProやBD895i SEのほうが適していますが、ネットワークカードやストレージコントローラーを追加する分には十分な帯域です。
価格は8945HX搭載モデルでベアボーン約766ドルから(Guru3D 2026年3月時点)。ワークステーション向けの機能を考えると、コストパフォーマンスは非常に高いと言えるでしょう。
SNSで見られるユーザーの生の声
実際にこれらの製品を検討しているユーザーからは、どのような声が上がっているのでしょうか。Xや掲示板での投稿を集約すると、いくつかの傾向が見えてきました(確認日:2026年7月)。
まずポジティブな声としては、「Mini-ITXでこの性能は魅力的」というBD895i SEへの評価や、「Proxmoxでの仮想化性能が高い」というMS-A2への言及が目立ちました。特に自作派やサーバー運用者の間で、コンパクトながらハイスペックな構成が組める点が高く評価されています。
一方で懸念の声としては、「G1 Proの価格が高い」「ファンノイズが気になるのでは」といった意見や、「MS-A2のPCIeスロットがx8なのは残念」という指摘も見られました。また、ゲーミング用途だけでなく、自宅サーバーとしてMS-A2を検討しているユーザーが意外と多いこともわかりました。この点は日本語の解説記事ではあまり深掘りされていない論点と言えるでしょう。
まとめ:あなたにはどのMinisforum 8945HX製品がおすすめ?
Ryzen 9 8945HXという同じCPUを搭載しながら、ここまで個性が異なる製品ラインアップは他に類を見ません。もう一度、あなたの用途に合わせた選択肢を整理します。
ゲームがメインの方は迷わずAtomMan G1 Proです。RTX 5060デスクトップ版のパワーをコンパクトな筐体で楽しめます。価格は3製品中最も高額ですが、プラグアンドプレイで最高のゲーミング体験が得られる完成品としての価値があります。
自分でパーツを選んで組み立てたい方にはBD895i SEが最適です。コストを抑えつつ、自由なカスタマイズを楽しめます。予算に応じてGPUやメモリ、ストレージをグレードアップできるので、長く愛用できる一台が作れるでしょう。
自宅サーバーや仮想化環境を構築したい方はMS-A2一択です。デュアル10Gbpsネットワークは他の追随を許さず、Proxmoxなどのハイパーバイザーとの相性も抜群です。エッジコンピューティングやAI推論サーバーとしても活用できるポテンシャルを秘めています。
どの製品も間違いなく高性能ですが、その性能を活かせるかどうかは「使い方」次第です。ぜひこの比較を参考に、あなたにぴったりの一台を見つけてください。
【おすすめ製品】
Minisforum AtomMan G1 Pro
デスクトップ版RTX 5060を搭載した最強のゲーミングMini-PC。3.8Lのコンパクト筐体で、4KゲーミングやAIワークロードも快適にこなせます。プラグアンドプレイで使いたいゲーマーに最適です。
Minisforum BD895i SE
Ryzen 9 8945HXをオンボード実装したMini-ITXマザーボード。PCIe 5.0 x16スロット搭載で、好みのGPUを載せられます。コスパ重視の自作派におすすめの一枚です。
Minisforum MS-A2
デュアル10Gbps SFP+ポートを備えたミニワークステーション。仮想化ホストや高速ファイルサーバーとしての運用に最適です。Proxmoxユーザーからも高い評価を得ています。

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