Chromeboxとは?基本の定義をわかりやすく解説
「Chromebox(クロームボックス)」とは、GoogleのChromeOS(クロームオーエス)を搭載した小型のデスクトップパソコンです。
スマートフォンで言えば「Android」にあたるOS(基本ソフト)を「ChromeOS」として搭載している、というイメージを持っていただければわかりやすいでしょう。
Chromeboxは、ノートパソコンタイプの「Chromebook」のデスクトップ版という位置付けです。本体がキーボードとディスプレイに一体化しているChromebookに対して、Chromeboxはキーボードやマウス、モニターを自分で準備して接続して使います。
初代モデルは2012年5月29日にSamsungから発売されました。現在は、ASUS ChromeboxやHP Chromebox、Acer Chromeboxなど、複数のメーカーから製品が提供されています。
Chromebookとの違いは?ノートPCとデスクトップPCの関係性
Chromeboxを理解するうえで、Chromebookとの違いを押さえておくと、より特徴がつかみやすくなります。
Chromebookはバッテリーとディスプレイ、キーボードが一体になったノートパソコンです。持ち運びができるため、外出先やカフェ、学校や職場と家の間で持ち歩く用途に向いています。
一方、Chromeboxはデスクトップパソコンです。本体だけが単体で存在し、自宅やオフィスの机に置いて、外部モニターやキーボード、マウスをつなげて使います。持ち運びは想定されていません。
中身のOSは同じChromeOSです。つまり、「同じソフトウェアを、持ち運べるタイプか、据え置きタイプか」という違いがChromebookとChromeboxの最も大きなポイントになります。
Chromeboxでできること・できないことを整理
Chromeboxで何ができて、何ができないのかを整理しておきましょう。
Chromeboxでできること
- Webサイトの閲覧(Chromeブラウザが標準搭載)
- GmailやGoogleカレンダーなどのGoogleサービス
- YouTubeでの動画視聴
- Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドを使った文書作成や表計算
- Microsoft Office Online(無料のWeb版Word、Excel、PowerPoint)の利用
- ZoomやGoogle Meetを使ったオンライン会議
- NetflixやAmazon Prime Videoなどの動画配信サービス
- Androidアプリの動作(対応モデルの場合)
- 無線プリンターでの印刷
Chromeboxでできないこと(注意が必要なこと)
- 一般的なWindows用ソフト(例:通常版のMicrosoft Office、Adobe Photoshopなど)は動作しない
- Mac用ソフトも動作しない
- 有線プリンターはサポートされていない(無線プリンターのみ対応)
- インターネット接続がないと、できることが大幅に制限される(オフラインでもGoogleドキュメントなど一部は作業可能)
「WindowsやMacの代わりになるのか?」という質問を受けることがありますが、結論としては「用途によっては代わりになるが、完全な代替にはならない」というのが正確な答えです。
Webブラウザとクラウドサービスだけで完結する作業なら快適に使えます。しかし、「会社で使っているあのWindowsソフトを動かしたい」という場合には、Chromeboxは適していません。
Chromeboxのメリット:なぜ選ばれているのか
価格が比較的安い
一般的なWindowsデスクトップPCと比べると、Chromeboxは比較的手頃な価格帯から購入できます。
起動が速い
ChromeOSは軽量なOSのため、電源を入れてから使えるようになるまでの時間が非常に短いです。スリープからの復帰も一瞬です。
ウイルス対策が比較的容易
ChromeOSは設計上、ウイルスやマルウェアの影響を受けにくい構造になっています。OSの基本部分が書き換えられないよう保護されているため、一般的なWindows PCのようにウイルス対策ソフトを別途インストールする必要は基本的にありません。
自動更新で最新状態を維持
OSやブラウザのアップデートが自動で行われるため、自分でアップデート作業をする手間がかかりません。常に最新のセキュリティ状態を保てます。
複数人での共有に向いている
デスクに設置して、家族やオフィスのメンバーで共有して使う使い方に適しています。Googleアカウントごとに環境が分かれるため、自分用の設定やブックマークを他人に影響されずに使えます。
Chromeboxのデメリット:購入前に知っておくべきこと
インターネット接続がほぼ必須
クラウドを中心に使う設計のため、インターネットに接続できない環境では機能が大きく制限されます。オフラインでもGoogleドキュメントなどの編集は可能ですが、オンライン時ほど快適ではありません。
使い慣れたWindows/Macソフトが使えない
これが最も大きなデメリットです。普段WindowsやMacで使っているソフトがある場合、Chromeboxではそのソフトをインストールして動かすことはできません。Web版が存在するサービスなら代用できますが、すべてのソフトにWeb版があるわけではありません。
有線プリンターには非対応
プリンターを使う場合、無線LAN経由で接続できるプリンター(無線プリンター)である必要があります。USBで直接接続するタイプのプリンターは使えません。
サポート期限がある(Auto Update Expiration)
各Chromeboxには「Auto Update Expiration(自動更新終了日)」が設定されています。この日を過ぎると、OSやブラウザの自動アップデートが提供されなくなります。アップデートが止まると、セキュリティ面でリスクが高まるため、長く使い続ける場合はこの期限を確認しておく必要があります。
Chromeboxはどんな人に向いているのか
こんな人におすすめ
- パソコンの作業のほとんどがWebブラウザで完結する人
- GmailやGoogleドキュメント、Googleスプレッドシートをよく使う人
- ウイルス対策の手間を減らしたい人
- 家族やオフィスで共有で使うデスクトップPCを探している人
- テレワーク用のサブマシンとして、シンプルな環境が欲しい人
- パソコン初心者で、複雑な設定をしたくない人
こんな人には向いていない可能性がある
- 普段からWindows専用ソフト(会計ソフトや画像編集ソフトなど)を使っている人
- Mac専用のアプリを日常的に使っている人
- インターネット接続が不安定な環境で使う人
- 有線プリンターしか持っていない人
- パソコンゲームを楽しみたい人(ゲーム用の高性能グラフィックは搭載されていない)
主なメーカーと製品の特徴
Chromeboxは複数のメーカーから販売されています。それぞれの特徴を紹介します。
ASUS Chromebox
ASUSは台湾の大手パソコンメーカーです。Chromeboxの製品ラインナップが比較的豊富で、家庭用からビジネス用まで幅広いモデルを展開しています。コンパクトな筐体デザインで、机の上に置いても場所を取りません。
特徴: モデルによってCPU(Celeron / Core i3など)やRAM(2GB~8GB)、ストレージ(16GB~64GB SSD)が選択できる場合がある。
HP Chromebox
HPはアメリカの老舗パソコンメーカーです。ビジネス向けの信頼性に定評があり、オフィスでの導入を考えている人に向いています。ポート構成が充実しているモデルもあり、HDMIやDisplayPort、USBポート、SDカードスロットなどが搭載されています。
Acer Chromebox
Acerも台湾の主要メーカーで、コストパフォーマンスの高さが特徴です。教育機関や家庭での採用例が多いメーカーです。
AOPEN Chromebox
AOPENはAcerグループのブランドで、商用向けChromeboxを専門に提供しています。デジタルサイネージ(店内の大型ディスプレイで動画や広告を表示するシステム)や、複数拠点での端末集中管理が必要なビジネス向けです。一般消費者向けというよりは、企業向けの製品と考えるとよいでしょう。
CTL Chromebox
CTLはアメリカのメーカーで、教育機関や政府機関向けのChromebook・Chromeboxを多く手がけています。日本ではあまり知名度が高くありませんが、教育分野での実績があります。
Chromeboxを購入する前にチェックすべきポイント
サポート期限(Auto Update Expiration)を確認する
Chromeboxを中古や格安で見つけた場合、必ずAuto Update Expiration(AUE)を確認してください。AUEが過ぎているモデルはセキュリティ更新が停止しており、安全に使い続けることが難しくなります。
具体的には、2012~2014年ごろに発売された初代Samsung ChromeboxやDell Chromebox、ASUS Chromebox CN60などはすでにAUEが終了しています。これらのモデルはたとえ動作しても、インターネットに接続するのはリスクがあるため、購入を避けるべきです。
自分の使い方でWindows/Macソフトが必要かどうか
「普段何をパソコンでやっているか」を具体的に書き出してみましょう。すべてWebブラウザでできるならChromeboxは有力な選択肢です。「どうしてもこれだけはWindowsじゃないとできない」というソフトがひとつでもあるなら、無理にChromeboxを選ぶ必要はありません。
インターネット環境は安定しているか
自宅やオフィスのインターネット回線が安定しているかどうかも重要です。Wi-Fiが頻繁に切れる環境や、モバイルルーターで接続しているような環境では、Chromeboxの良さを活かしきれない可能性があります。
無線プリンターを持っているか
印刷をする必要がある場合は、無線LAN対応のプリンターが必要です。お使いのプリンターが無線に対応しているか、事前に確認しておきましょう。
よくある質問
Q. Microsoft WordやExcelは使えますか?
A. Web版のMicrosoft Office Online(Word、Excel、PowerPoint)は無料で利用できます。ただし、通常のWindows版Officeのような豊富な機能は搭載されていません。基本的な文書作成や表計算であれば問題なく使えます。
Q. オフラインでも作業できますか?
A. 可能です。Googleドキュメント、スプレッドシート、スライドはオフラインモードに対応しています。事前にオフライン設定をしておくことで、インターネットがつながらない場所でも編集や閲覧ができます。ただし、完全にオフラインで使う場合は、できることは限られる点に注意が必要です。
Q. どのメーカーのChromeboxを選べばいいですか?
A. 予算と必要なスペック(CPU、RAM、ストレージ容量)で選ぶのが基本です。大きな違いはなく、価格とサポート期間で比較することをおすすめします。また、どのメーカーでもAuto Update Expirationはモデルによって異なるため、購入前に必ず確認しましょう。
Q. デベロッパーモードって何ですか?
A. Chromeboxには「デベロッパーモード」という開発者向けの特別なモードがあります。これを有効にすると、他のOSを起動したり、コマンドシェルにアクセスできるようになります。ただし、デベロッパーモードを有効にするとセキュリティ機能の一部が無効化され、メーカーの保証対象外となります。一般のユーザーが有効にする必要は基本的にありません。
Chromeboxを選ぶときのまとめ
Chromeboxは、「Webとクラウドだけで十分な人」にとって非常に使いやすいデスクトップPCです。
- WindowsやMacのような複雑な設定が不要
- ウイルス対策の手間が少ない
- 起動が速く、サクサク動く
- 価格も比較的抑えめ
一方で、「どうしてもこのWindowsソフトが使いたい」という場合や、「インターネットがなくてもガッツリ作業したい」という場合には、選択肢から外したほうが無難です。
購入を検討するときは、以下の点を確認してから決めましょう。
- 自分の作業の9割以上がWebブラウザで完結するか
- 必要なソフトのWeb版や代替サービスがあるか
- 無線LAN環境と無線プリンターがあるか
- Auto Update Expirationが十分先のモデルか
これらの条件を満たしていれば、Chromeboxは非常に有力な選択肢になります。
まずは自分の使い方を整理して、Chromeboxが向いているタイプかどうかを見極めてみてください。もしChromeboxが自分のスタイルに合いそうなら、各メーカーの最新モデルを比較しながら、サポート期限にも注意して選んでみてはいかがでしょうか。


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