ミニPCを買ったはいいけれど、「もう少しパフォーマンスを引き出したい」「ファンの音が気になる」「サーバー用途で使いたい」——そんなときに役立つのがBIOS設定です。
GMKtecのミニPCは、BIOSをちょっと調整するだけで、静音性とパフォーマンスのバランスを自分好みに変えられます。とはいえ、「BIOSって何かよくわからない」「設定を間違えたら壊れそうで怖い」という方も多いですよね。
この記事では、GMKtec製ミニPCのBIOSに入る方法から、モデル別の具体的な設定項目、アップデートの注意点まで、実際に確認できた情報をもとに解説します。
GMKtecのBIOSに入るための基本操作
まずは、BIOS画面を表示する方法からです。
BIOS起動キーはモデルによって異なる
GMKtecのミニPCでBIOSを起動するには、電源投入直後に特定のキーを連打します。一般的には以下のキーが使われます。
- Deleteキー(Del) – 多くのモデルで採用
- ESCキー – 一部モデルで採用
- F7キー – 一部モデルで採用
具体的には、GMKtec K8はDelキー、GMKtec M7も同様にDelキーで進入できることが確認されています。
もしどのキーか分からない場合は、電源ボタンを押したあとにDeleteキーとESCキーを交互に連打しておけば、どちらかのタイミングでBIOS画面が表示されるはずです。
BIOS画面での操作のコツ
BIOSに入ったあとは、マウスは使えず、すべてキーボードで操作します。
- 矢印キー:メニューを移動
- Enterキー:項目を選択/詳細を開く
- F10キー:変更を保存して終了(忘れずに!)
- ESCキー:前のメニューに戻る/変更せずに終了
設定を変更したら、必ずF10キーで保存して終了してください。この操作を忘れると、せっかく変更した内容が反映されません。
GMKtecのBIOS設定でできること
GMKtecのBIOSでは、主に以下のような設定が可能です。モデルによって項目名や階層は少し異なりますが、大まかな流れは共通しています。
性能モードの切り替え(TDP制御)
GMKtecの多くのモデルには、消費電力(TDP)を切り替える性能モードが搭載されています。
たとえば、GMKtec M7のBIOSでは、以下の3つのモードから選べます。
- 静音モード(Quiet):35Wで動作。ファン音が最も静かで、オフィスや寝室での使用に向いています。
- バランスモード(Balanced):50Wで動作。日常使いにちょうどよいバランスの取れた設定です。
- パフォーマンスモード(Performance):65〜70Wで動作。動画編集やゲームなど、高い処理能力が必要な場面で効果を発揮します。
これらのモードは、BIOSのAdvancedメニュー内にあるPower Limit Selectや、モデルによってはPerformance Modeという項目で切り替えられます。
モードを上げればそれだけ性能は高まりますが、その分消費電力と発熱も増える点は覚えておいてください。
ファン速度の制御(PWM設定)
K12モデルでは、BIOSバージョン2.02へのアップデートにより、PWM(パルス幅変調)を用いたファン速度の可変制御が可能になりました。
旧バージョン(v1.07)では、ファンが「カチカチ」という異音を発する問題が報告されていましたが、このアップデートで改善されたとの声があります。
ファン制御の設定項目は、BIOSのHardware MonitorやPC Healthといったメニューに含まれていることが多いです。ファンの回転数をモニタリングしながら、速度を調整できるモデルもあります。
仮想化機能の有効化(VT / NX Mode)
仮想マシンを使いたい場合や、WSL2(Windows Subsystem for Linux)を利用する場合は、CPUの仮想化機能を有効にする必要があります。
K8モデルでは、以下のパスで設定できます。
Advanced → CPU Configuration → NX Mode
この項目をEnabled(有効)に切り替えることで、仮想化機能が使えるようになります。
電源自動投入(Auto Power On)
停電後や電源プラグを差したときに、自動でPCが起動するように設定したい場合に便利な機能です。サーバー用途やリモート運用で重宝します。
K8モデルでの設定パスはこちらです。
Advanced → Auto Power On
この項目をEnabledにすれば、電源が入ったタイミングで自動的にPCが起動します。
ネットワーク喚起(Wake-on-LAN)
ネットワーク経由でPCを遠隔起動したい場合に使うのがWake-on-LAN(WOL)です。これもサーバー用途では定番の機能です。
K8モデルでは以下のパスで設定できます。
Advanced → Wake On LAN
有効にしたあとは、別途OS側の設定やルーターの設定も必要になる場合があります。
共有メモリ(VRAM)の割り当て変更
内蔵GPUを使用する場合、システムメモリの一部をGPU用のビデオメモリ(VRAM)として割り当てられます。
K8モデルの設定パスはこちらです。
Advanced → GFX Configuration
ここで、UMA Frame Buffer Sizeなどの項目から、割り当てるメモリ容量を変更できます。
- ゲームやグラフィック作業をする場合は、3GB以上に設定すると快適になることがあります。
- 事務用途やサーバー用途であれば、512MB〜1GB程度でも十分な場合が多いです。
割り当てすぎるとシステムメモリが減ってしまうので、使うソフトに合わせて調整してください。
GMKtecモデル別:BIOS設定の特徴まとめ
ここでは、主要なGMKtecモデルごとのBIOS設定の特徴を整理します。
GMKtec M7
M7は比較的新しいモデルで、公式ユーザーマニュアルでもBIOS設定が詳しく説明されています。
- 性能モードが明確に3段階(静音35W/バランス50W/パフォーマンス65-70W)で用意されている
- VRAM割り当ての変更が可能
- Auto Power On(電源自動投入)とWake-on-LAN(ネットワーク喚起)に対応
高性能が求められる用途で、かつBIOSをある程度いじれるユーザーに特におすすめのモデルです。
GMKtec K12
K12は、2025年12月頃にBIOS v2.02がリリースされ、大きなアップデートがあったモデルです。
- 旧BIOS(v1.07)ではファンの異音問題があったが、v2.02でPWMファン制御が可能になり改善
- アップデートファイルは公式サイトではなく、Google Drive経由で提供されている
- ファン制御の設定項目が増えたことで、静音化のカスタマイズ幅が広がった
「ファンの音が気になる」というユーザーには、BIOSアップデートを検討する価値があります。
GMKtec K8
K8はコミュニティでの情報が最も豊富なモデルです。サーバー用途での活用事例も多く見られます。
- 仮想化(NX Mode)、Auto Power On、Wake-on-LANの設定パスが明確
- Power Limit Selectで性能モードを切り替え可能(デフォルトは35W)
- GFX ConfigurationでVRAM割り当てを調整可能
自宅サーバーやNASを構築したい方にとって、情報が揃っているのは大きなメリットです。
GMKtec G10
G10はやや古いモデル(Ryzen 5 3500U搭載)ですが、BIOS設定に関する実測データがいくつかあります。
- Quiet/Balanced/Performanceの3モードが存在
- バランスモード時の消費電力はアイドルで約6.5W、負荷時で約18.9Wという報告がある
- パフォーマンスモードでは3.7GHzのターボ動作が可能で、ファン速度を100%まで設定できる
省電力を重視するライトユーザーや、Linuxでの利用を考えている方には今でも選択肢になるモデルです。
GMKtecのBIOSアップデートについて
BIOSアップデートは、不具合の修正や新機能の追加、安定性向上のために行います。ただし、アップデートにはリスクが伴うことも事実です。
アップデートファイルの入手先
GMKtecのBIOSアップデートファイルは、公式サイトではなくGoogle Driveで提供されていることが確認されています。これはやや非公式なイメージがありますが、複数のユーザーが同じ経路で入手しており、実態としてこうした運用が行われているようです。
アップデートが必要な場合は、まずメーカーサポート(support@gmktec.com)に問い合わせるか、モデルごとのコミュニティ情報を確認することをおすすめします。
アップデートの注意点
- アップデート中に電源を切ると、PCが起動しなくなる可能性があります。バッテリー駆動ではなく、必ずACアダプター接続で行ってください。
- 非公式サイトからダウンロードしたファイルにはセキュリティリスクがあります。入手先は必ず確認しましょう。
- アップデート後は、設定がデフォルトに戻る場合があります。重要な設定は事前にメモしておくと安心です。
「BIOSアップデートは本当に必要な場合にのみ行う」というのが、基本的なスタンスです。特に不具合がなければ、無理に最新にしなくても問題ありません。
GMKtecのBIOS設定でよくある疑問
Q. BIOSに入れません。どうすればいいですか?
まずはDeleteキー、ESCキー、F7キーを電源投入直後から連打してみてください。タイミングが合わない場合は、PCを再起動してもう一度試しましょう。
それでも入れない場合は、USBキーボードを使っている場合に認識が遅れている可能性があります。BIOS起動中はUSBポートの初期化に時間がかかることがあるため、キーボードをUSB 2.0ポートに挿し直すと改善することがあります。
Q. 設定を間違えて起動しなくなりました。どうすれば?
BIOS設定で起動しなくなった場合は、CMOSクリアを試してみてください。多くのミニPCには、マザーボード上のボタン電池を一時的に外すか、CMOSクリア用のジャンパーピンが用意されています。
不安な場合は、メーカーサポート(support@gmktec.com)に相談するのが確実です。
Q. 性能モードを上げると消費電力はどのくらい変わりますか?
モデルや設定にもよりますが、例えばM7の場合、静音モード(35W)からパフォーマンスモード(65-70W)に切り替えると、最大で約2倍の消費電力になります。
それに伴って発熱も増えるため、冷却環境(エアフローや設置場所)にも注意が必要です。
Q. ファンがうるさいので静かにしたいです
まずはBIOSで静音モード(Quiet)を選んでみてください。それでも気になる場合は、K12のようにBIOSアップデートでファン制御が改善されるケースもあります。
また、PCの設置場所を変えたり、底面の吸気口を塞がないようにするだけでも、ファンの回転数が下がることがあります。
BIOS設定を変更する前に確認しておくべきこと
GMKtecのBIOSをいじる前に、以下の点を確認しておいてください。
- BIOS設定は自己責任で行うものだということ。メーカー保証の対象外となる行為もあります。
- 変更する前に、現在の設定をメモまたは写真に撮っておくと、元に戻したいときに役立ちます。
- 一度にたくさん変更するのではなく、1つずつ変更して動作確認しながら進めるのが安全です。
- 特に電圧やクロック周波数に関わる設定は、PCの安定性に直結します。知識がない場合は触らないほうが無難です。
GMKtecのBIOS設定でできることと注意点のまとめ
GMKtecのBIOS設定を活用すれば、以下のようなカスタマイズが可能です。
- 性能モードの切り替えで、静音性とパフォーマンスのバランスを調整
- ファン速度制御で、騒音を抑えたり冷却性能を優先したりできる
- 仮想化機能の有効化で、仮想マシンやWSL2を快適に利用
- 電源自動投入やWake-on-LANで、サーバー運用やリモート操作に対応
- VRAM割り当ての変更で、内蔵GPUのパフォーマンスを最適化
ただし、BIOS設定はPCの動作に直結する重要な領域です。公式情報を確認しながら、慎重に進めることが何より大切です。
また、BIOSのメニュー構成や項目名はモデルやBIOSバージョンによって異なります。この記事の内容はあくまで参考情報として、実際の設定はご自身のPCの画面で確認しながら行ってください。
「もっと詳しく知りたい」「モデル固有の設定が知りたい」という方は、GMKtecのサポート(support@gmktec.com)や各モデルのユーザーマニュアルをチェックしてみてください。
BIOS設定をうまく活用して、あなたのGMKtecミニPCをより快適なマシンに仕上げていきましょう。


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