「ラズベリーパイとミニPCって、何が違うんだろう?」「どっちを買えばいいのか、いまいち分からない…」
そんな悩みをお持ちのあなたへ。この記事では、ラズベリーパイとミニPCの違いを、用途別に徹底的に比較していきます。
結論から言うと、「何をしたいか」で選ぶべき製品ははっきり分かれます。
この記事を読めば、自分にぴったりの選択肢が見つかるはずです。価格や性能、向いている人・向いていない人まで、具体的に解説していくので、最後までチェックしてみてください。
そもそもラズベリーパイとミニPCは何が違うの?
まずは、それぞれの製品が「そもそも何のために作られたものなのか」という根本的な設計思想の違いから見ていきましょう。
ラズベリーパイとは?
ラズベリーパイは、イギリスの非営利団体「Raspberry Pi財団」が教育目的で開発した、クレジットカードサイズのシングルボードコンピュータです。
もともとは「子供たちにプログラミングを学ばせたい」という目的で誕生しましたが、その安さと拡張性の高さから、今では世界中の愛好家やエンジニアが使うプラットフォームに成長しています。
ミニPCとは?
一方のミニPCは、その名の通り「小型のデスクトップパソコン」です。
一般的なデスクトップPCよりはるかにコンパクトですが、中身は通常のPCと同じく、x86アーキテクチャ(IntelやAMDのCPU)を搭載し、Windows 11が普通に動作します。
ラズベリーパイが「電子工作や学習のためのボード」なのに対し、ミニPCは「省スペースで使える普通のパソコン」という違いがあります。この根本的な違いが、できることや価格にも大きく影響してきます。
ラズベリーパイとミニPCの主な違いを比較
ここからは、具体的な比較軸に沿って両者を詳しく見ていきましょう。
価格とトータルコストの違い
まず気になるのが価格です。
ラズベリーパイ 5の本体価格は、メモリ容量によって以下の通りです。
- 1GBモデル:$45
- 2GBモデル:$50
- 4GBモデル:$60
- 8GBモデル:$80
- 16GBモデル:$120
…と、ここだけ見ると「安い!」と思うかもしれません。しかし、ここが大きな落とし穴です。
ラズベリーパイは本体だけで動きません。
実際に使うには、以下のような周辺機器が別途必要になります。
- 専用の5V/5A電源アダプタ
- ケース
- 冷却ファン(高性能化に伴い必須級)
- microSDカードまたはNVMe SSD
これらの周辺機器を揃えると、総額は2万円近くになることも珍しくありません。
一方、Intel N100を搭載したエントリーミニPCは、2〜3万円台から購入できます。しかも、電源ケーブルやストレージ、Windows 11のライセンスまで最初から付属しているものも多いです。
つまり、「トータルコストで見ると、ミニPCの方が安上がりになるケースがある」というのが、最近の現実です。
性能の違い(CPU・メモリ・処理速度)
性能面でも大きな差があります。
Raspberry Pi 5のCPUは、Broadcom BCM2712というARMプロセッサ(Cortex-A76 2.4GHz 4コア)です。メモリは最大16GBまで選べますが、あくまでシングルボードコンピュータの範囲内の性能です。
一方、エントリーミニPCに搭載されるIntel N100は、x86アーキテクチャの4コアCPUで、ベンチマークスコアではRaspberry Pi 5を上回るという評価もあります。
特に、ストレージの読み書き速度には大きな差があります。ミニPCはM.2 NVMe SSDを標準搭載しており、OSやアプリケーションの起動が非常に高速です。
Raspberry Pi 5もNVMe SSDブートに対応していますが、そのためには別途HAT(拡張ボード)やSSDを購入する必要があり、さらにコストがかさみます。
OSとソフトウェア互換性の違い
これは非常に大きな違いです。
ミニPCはWindows 11が普通に動きます。そのため、普段使っているWindows用のソフトウェア(Office、Visual Studio、各種ゲーム、Adobe製品など)がそのまま使えます。
また、Linuxを使いたい場合も、x86アーキテクチャなのでWSL2(Windows Subsystem for Linux)を利用すれば、手軽にLinux環境を構築できます。
ラズベリーパイの公式OSはRaspberry Pi OS(Linuxベース)です。ARMアーキテクチャのため、Windowsは非公式かつ非推奨の対応にとどまります。実用的な速度でWindowsを動かすのは難しいと考えたほうがよいでしょう。
ただし、Linux環境が最初から用意されている点は、Linux学習者にとってはむしろメリットでもあります。
消費電力の違い
ラズベリーパイの強みは、やはり消費電力の低さです。
Raspberry Pi 5の最大負荷時でも約8W程度。Raspberry Pi Zero 2 Wに至っては、アイドル時で0.5W、フルロードでも2W強という驚異的な省電力性を誇ります。
一方、Intel N100搭載のミニPCは、システム全体で20〜30W程度の消費電力になると言われています。
24時間365日サーバーを運用したいという場合は、この消費電力の差は年間の電気代に大きく響いてきます。
拡張性とできることの違い
ここが、両者の最大の違いと言っても過言ではありません。
ラズベリーパイには、GPIO(General Purpose Input/Output)と呼ばれるピン端子が実装されています。
このGPIOを使うことで、LEDを光らせたり、モーターを制御したり、センサーからデータを取得したりといった、電子工作やIoT(モノのインターネット)開発が可能になります。
つまり、ラズベリーパイは「パソコン」であると同時に「マイコン(マイクロコントローラー)」的な役割も果たせるのです。
ミニPCにはGPIO端子はありません。あくまで「小さなパソコン」としての機能に特化しているため、ハードウェアを直接制御したい用途には向きません。
用途別!どちらを選ぶべきか
ここまで様々な違いを見てきましたが、結局のところ「何をしたいか」で選ぶべき製品は決まります。
電子工作やIoT開発をしたい人 → ラズベリーパイ一択
LEDを光らせる、モーターを動かす、センサーデータを取得する…といったハードウェアを直接制御する開発をしたいなら、ラズベリーパイを選ぶべきです。
GPIOがあるかないかは、この用途においては決定的な差です。
省電力で24時間稼働するサーバーを運用したい人
こちらもラズベリーパイが有力な選択肢になります。
特に、Raspberry Pi Zero 2 Wは、消費電力が非常に低いため、24時間稼働の簡易サーバー(DNSサーバー、ファイルサーバー、Pi-hole等)に最適です。
ただし、データベースサーバーや仮想化環境、高負荷なメディアサーバーを運用したい場合は、Raspberry Pi 5でも性能が不足する可能性があります。そのような場合は、ミニPCを検討したほうが無難です。
Windows必須の人 → ミニPC
普段使っているWindowsソフトをそのまま使いたいなら、ミニPCしか選択肢はありません。
ラズベリーパイでWindowsを動かすことは技術的には可能ですが、実用的な速度ではなく、公式サポートもありません。仕事や日常使いでWindowsが必要なら、素直にミニPCを選びましょう。
省スペースでデスクトップPCが欲しい人 → ミニPC
「机の上がスッキリしている小さなPCが欲しい」「サブPCとして使いたい」という場合は、ミニPCが最適です。
通常のデスクトップPCと変わらない使い勝手で、場所を取らないのが魅力です。
Linuxの学習環境が欲しい人 → ラズベリーパイ
Raspberry Pi OSが最初から使える環境は、Linux学習者にとって非常にありがたいものです。
実機でLinuxを触りながら、サーバー構築やネットワークの勉強をしたいという人には、ラズベリーパイはうってつけの教材になります。
【番外編】Raspberry Pi Zero 2 Wという選択肢
ここまで「ラズベリーパイ」といえば主にRaspberry Pi 5を想定して話を進めてきましたが、実はもう一つ魅力的な選択肢があります。
それが、Raspberry Pi Zero 2 Wです。
このモデルは、Raspberry Piシリーズの中でも最安・最小のモデルで、消費電力が驚くほど低いのが特徴です(アイドル時0.5W、フルロード2W強)。
性能はRaspberry Pi 2 Model B程度と決して高くありませんが、以下のような用途には非常に適しています。
- 24時間稼働の簡易DNSサーバー
- 軽量ファイルサーバー
- Botの運用
- WSL2が動かない貧弱なWindows PCに外付けするLinux環境
価格も非常に安く、省電力・省コストでサーバーを運用したいという場合には、有力な選択肢になるでしょう。
ただし、GUI操作やマルチタスク、データベースサーバーには不向きです。用途をしっかり選ぶ必要があります。
ラズベリーパイとミニPCに関するよくある疑問
Q. ラズベリーパイでYouTubeは見られますか?
Raspberry Pi 5であれば、YouTube動画の視聴は可能です。ただし、4K動画のスムーズな再生は難しい場合があります。
Q. ミニPCでLinuxは動きますか?
はい。x86アーキテクチャのミニPCであれば、Linuxは普通に動作します。Windowsがプレインストールされたモデルを買って、後からLinuxをインストールすることも可能です。
Q. プログラミング学習にはどちらがいいですか?
目的によります。
- 純粋にプログラミング言語(Python、Java、C++など)の学習だけなら、Windowsが動くミニPCのほうが環境構築が簡単です。
- ハードウェア制御や組み込みLinuxまで学びたいなら、ラズベリーパイが最適です。
Q. Raspberry Pi 5は本当に高いですか?
本体価格だけ見れば「高くない」ですが、周辺機器を含めたトータルコストで見ると、エントリーミニPCと遜色ない金額になることがあります。
購入前には、「電源」「ケース」「冷却」「ストレージ」を全て揃えた場合の総額を計算することをおすすめします。
注意点:購入前に必ず確認しておくこと
ラズベリーパイを買う前に
- 専用の5V/5A電源アダプタが必要です。一般的なスマホ充電器では動作しない可能性が高いです。
- 冷却対策はほぼ必須です。特にケースに入れて使う場合は、ファン付きのものを選びましょう。
- NVMe SSDブートを利用する場合は、別途HATとSSDの購入が必要です。
ミニPCを買う前に
- 激安な中華製ミニPCには、正規ライセンスでないWindowsが搭載されていたり、技適(技術基準適合証明)の問題がある場合があります。信頼できるメーカーや販売店から購入しましょう。
- 最低限、Intel第10世代以降またはAMD Ryzen 3000番台以降のCPUを搭載したモデルを選ぶと、無難な性能が得られます。
まとめ:自分に合った選択をしよう
ラズベリーパイとミニPCは、どちらが優れているという話ではなく、「何をしたいか」で選ぶものです。
最後にもう一度、簡単にまとめます。
- 電子工作・IoT開発・GPIOを使いたい → ラズベリーパイ
- 省電力で24時間サーバー運用したい → ラズベリーパイ(特にZero 2 W)
- Windowsが必須・普通のPCとして使いたい → ミニPC
- 省スペースでデスクトップ代替が欲しい → ミニPC
- Linuxをがっつり学びたい → ラズベリーパイ
価格やスペックだけで判断せず、「自分はこれで何をしたいのか」という目的を明確にしてから選ぶようにしましょう。
それぞれの製品の最新価格や詳細は、以下のリンクからチェックしてみてください。
Raspberry Pi 5
Raspberry Pi Zero 2 W
GMKtec NucBox G10
GMKtec NucBox M8
GEEKOM A8
あなたにぴったりの一台が見つかりますように。


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