デスク周りをすっきりさせたい、でもちゃんとWindowsは使えるPCが欲しい――そんな願いを叶えてくれるのが、今回ご紹介するGMKtec NucBox G5です。
本体サイズはなんと72mm×72mm、重さも約200gほど。まさに「手のひらサイズ」と呼ぶにふさわしい超小型ミニPCですが、ただ小さいだけではありません。インテルの最新アーキテクチャを採用した「N97」プロセッサを搭載し、性能面でも多くの期待に応えてくれる一台です。
この記事では、GMKtec NucBox G5の実際の性能や使い勝手、向いている人・向いていない人を、具体的なデータや使用シーンを交えながら詳しく解説していきます。購入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
そもそもGMKtec NucBox G5とはどんなミニPC?
GMKtec NucBox G5は、中国のGMKtec社が製造・販売する超小型デスクトップPCです。同社はこれまでにもN100やN95といった省電力CPUを搭載したミニPCを数多くリリースしており、その中でも本製品は「N97」という新しいプロセッサを搭載したエントリーモデルとして位置づけられています。
発売されたのは2024年春。OSにはWindows 11 Proがプリインストールされており、購入後すぐに使い始められるのも大きなポイントです。価格帯は2万円台前半から中頃で、このコンパクトさと性能を考えればコストパフォーマンスは非常に高いと言えるでしょう。
Intel N97とN100の違いはどこにある?
本製品の最大の特徴は、CPUにIntel N97を採用している点です。同じAlder Lake-N世代に属するN100とよく比較されますが、両者には明確な違いがあります。
簡単に言うと、N97はN100の上位版です。ベンチマークスコアを見ると、その差ははっきりと表れています。
- PCMark 10:N97搭載機が約3,057点に対し、N100搭載機は約2,602点
- 3DMark Time Spy:N97が約490点、N100が約330点
- Cinebench R23(マルチコア):N97が約2,069点、N100が約1,448点
特にグラフィックス性能の向上が顕著で、N97はN100と比べて約50%近く高いスコアを記録しています。つまり、動画視聴や軽いゲームなど、GPUに負荷がかかる処理においてN97搭載のGMKtec NucBox G5はよりスムーズな動作が期待できるということです。
ただし、あくまで「エントリークラスの中での比較」である点は押さえておきましょう。ハイエンドのデスクトップCPUやゲーミングノートPCと比べれば性能は大きく劣ります。あくまでも、省電力・小型・低価格というカテゴリの中で「より高性能な選択肢」 だと理解しておくのが正しいです。
GMKtec NucBox G5の基本スペックをチェック
まずは、GMKtec NucBox G5の基本スペックを確認しておきましょう。
- CPU:Intel N97(4コア4スレッド、最大動作周波数3.6GHz、TDP 12W)
- メモリ:LPDDR5-4800 12GB(オンボード、増設不可)
- ストレージ:M.2 2242 SATA SSD(256GB/512GBから選択、換装可能)
- OS:Windows 11 Pro(プリインストール)
- サイズ:72×72×44.5mm
- 重量:約169g~206g
- インターフェース:HDMI×2、USB 3.2 Gen1 Type-A×3、Gigabit LAN、3.5mmオーディオジャック
- ワイヤレス:Wi-Fi 5(802.11ac)、Bluetooth 4.2
見ての通り、メモリは12GBでオンボードのため後から増設できません。しかし、一般的なオフィスワークやWebブラウジングであれば十分な容量です。ストレージは換装可能ですが、M.2 2242というやや特殊なサイズのSATA SSDを採用している点は覚えておきましょう。購入時に大容量のモデルを選ぶか、後から換装するにしても対応製品を選ぶ必要があります。
実際の使用感はどうなの?事務作業・Web・動画視聴を試してみた
気になるのはやはり「実際に使ってみてどうか」ですよね。ここでは、一般的なユースケースを想定して、GMKtec NucBox G5の実力を評価していきます。
Office作業は快適そのもの
WordやExcelなどのオフィスソフトを快適に動かせるかは、このクラスのPCを選ぶ上で最も重要なポイントのひとつです。結論から言うと、GMKtec NucBox G5は文書作成、表計算、プレゼン資料の編集といった作業をまったくストレスなくこなせます。
複数のアプリケーションを同時に開いても動作が重くなることはほとんどなく、OS全体のレスポンスも良好。Windows 11の動作も軽快で、日常的なビジネス用途なら十分すぎる性能と言えるでしょう。
Webブラウジングも余裕
数十タブを開いてのブラウジングもスムーズです。動画サイトやSNS、ニュースサイトの閲覧も快適で、ページの読み込みやスクロールでカクつくようなことはありません。メモリ12GBのおかげで、拡張機能を多く入れたChromeでも安定して動作します。
4K動画視聴は問題なし
YouTubeやNetflixなどの4K動画も、まったく問題なく再生できます。N97に内蔵されているGPUはハードウェアデコードに対応しており、高画質な動画をスムーズに楽しめます。リビングに置いてテレビに接続し、メディアプレイヤー代わりに使うのもおすすめの使い方です。
ゲームはできるの?気になるエンタメ性能
「軽いゲームならできる」というのが正直なところです。GMKtec NucBox G5で最新の3Dゲームを快適にプレイすることは期待しないほうがいいでしょう。
とはいえ、ブラウザゲームや2Dのインディーゲーム、そして少し前の世代の3Dゲームであれば、設定を下げれば遊べるレベルです。実際のレビューでは、『バイオハザード ヴィレッジ』のようなタイトルも低設定でプレイ可能だったという報告があります。
ただし、あくまで「プレイできるかどうか」というギリギリのラインの話。快適なゲーミング体験を求めるのであれば、この製品は選択肢から外れるでしょう。ゲーム目的ではなく、「ちょっとしたゲームもできるサブPC」 くらいの感覚で捉えておくのがよいです。
静音性と発熱は気にならない?
コンパクトなPCにありがちなのが、冷却ファンの騒音と発熱の問題です。GMKtec NucBox G5はどうでしょうか。
結論、ファンノイズは非常に静かで、デスク上で気になるレベルではありません。アイドル時や軽負荷時はほとんど無音に近く、高負荷時でも「動作しているな」と感じる程度の音に収まっています。
発熱についても、筐体の上面に排気口があるものの、触れて熱く感じることはほとんどなく、しっかり冷却できている印象です。ただし、これはあくまで一般的な使用環境での話。ベンチマークを連続で回すような極端な負荷をかければ温度は上がりますが、普段使いの範囲では問題ないでしょう。
ここが気になる!GMKtec NucBox G5のデメリット
良いところばかりではなく、購入前に知っておきたいポイントもあります。
メモリが増設できない
最大のデメリットは、メモリがオンボードで増設不可という点です。12GBは多くの用途で十分ですが、将来的にもっとメモリが必要になる可能性を考えると、やや不安が残ります。購入時に「自分の使い方で12GBで足りるか」をしっかり見極める必要があります。
ストレージの速度がSATA規格
M.2スロットを搭載しているものの、接続規格はSATAです。最近主流のPCIe接続のSSDと比べると転送速度は劣ります。OSの起動やアプリの読み込みはそこそこ速いものの、大きなファイルのコピーなどではもっさり感を感じるかもしれません。
ワイヤレス規格がやや古い
Wi-Fi 5(802.11ac)とBluetooth 4.2の搭載です。現時点ではまだ実用上問題になることは少ないですが、最新のWi-Fi 6EやBluetooth 5.3に対応した機器と比べると、通信速度や安定性で差が出る可能性があります。
専用ACアダプターが必要
USB Type-Cポートでの給電に対応しているものの、汎用的なUSB PD充電器では動作が保証されていません。付属の専用アダプター(12V/3A)を使う必要があります。持ち運ぶ際にはアダプターも含めて考える必要があるでしょう。
どんな人にGMKtec NucBox G5は向いている?
ここまでの内容を踏まえて、GMKtec NucBox G5が向いている人・向いていない人を整理してみましょう。
向いている人
- デスク周りをスッキリさせたい人
- 主な用途がOffice作業、Web閲覧、動画視聴、メールなどのライトユーザー
- 持ち運びできるサブPCがほしい人
- リビングのテレビに接続して使うメディアPCを探している人
- コストを重視しつつ、快適なWindows環境が欲しい人
- N100搭載機よりワンランク上の性能を求める人
向いていない人
- 最新の3Dゲームをプレイしたい人
- 動画編集や3Dレンダリングなどの高負荷クリエイティブ作業をする人
- メモリを後から増設したいと考えている人
- 最新の通信規格(Wi-Fi 6Eなど)に対応した機器が欲しい人
- 拡張性を重視する人
よくある質問
N100搭載のミニPCとどっちを選べばいい?
シンプルに「性能を重視するならN97」です。価格差は数千円程度なので、その差をどう見るか。もし予算に余裕があるなら、より高性能なGMKtec NucBox G5を選んでおくほうが、長く快適に使えるでしょう。特に動画視聴やブラウジングの快適さは明らかに違います。
SSDは交換できる?
はい、M.2 2242サイズのSATA SSDであれば換装可能です。分解も比較的容易で、自分でストレージを交換したというレビューも複数見られます。ただし、保証がどうなるかは販売店に確認することをおすすめします。
電源はUSB PD充電器で動く?
動作保証はされていません。電圧や電流の仕様が異なるため、故障のリスクを避けるためにも必ず付属の専用ACアダプターを使用しましょう。
モニターは何台まで接続できる?
HDMIポートが2つ搭載されているので、デュアルディスプレイ環境が構築できます。事務作業の効率化や、動画視聴と作業の同時進行などに便利です。
まとめ:コスパ最強のコンパクトPC、その使いどころ
GMKtec NucBox G5は、「小ささ」と「性能」と「価格」のバランスが非常に優れた一台です。Intel N97の採用により、N100搭載機よりも明らかに快適な動作を実現しながら、2万円台という価格は驚異的です。
ただし、「何でもできる万能PC」ではありません。あくまでライトな用途に特化した、コストパフォーマンスに優れた選択肢です。自分の使い方と照らし合わせて、この製品が合っているかどうかを判断する材料として、この記事が役立てば幸いです。
デスクの限られたスペースを有効活用したい方、手軽にWindows環境を手に入れたい方、サブPCとしてもう一台欲しい方――そんなあなたにとって、GMKtec NucBox G5はきっと心強いパートナーになってくれるでしょう。

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