Minisforum UM890 Proの基本スペックと特徴
「デスクが狭いけど、高性能なPCが欲しい」──そんな悩みを持つ方に注目されているのが、Minisforum UM890 Proです。
このミニPCは、最新のAMD Ryzen 9 8945HSプロセッサーを搭載しながら、本体サイズは約127×130×66.6mm、重量は約695.5gとコンパクトに収まっています。つまり、一般的なデスクトップPCと比較すると、設置スペースが大幅に少なくて済むわけです。
実際にどんなスペックなのか、公式情報をもとに見ていきましょう。
プロセッサーには、AMD Ryzen 9 8945HS(8コア/16スレッド、最大5.2GHz)を採用。内蔵GPUにはAMD Radeon 780M(最大2.8GHz)が搭載されています。メモリはDDR5-5600MHzのデュアルチャネルに対応し、最大96GBまで搭載可能です。ストレージはM.2 2280 PCIe4.0 SSDスロットを2つ備え、RAID 0/1にも対応しています。
OSはWindows 11 Proがプリインストールされています。
ポート類の充実度も、この製品の大きな特徴です。USB4ポートを2つ(40Gbps、PD対応)、Oculinkポートを1つ、USB 3.2 Gen2 Type-Aポートを4つ、HDMI 2.1とDisplayPort 1.4をそれぞれ1つずつ搭載。さらに、2.5G LANポートも2つ備えています。
この豊富なポート類によって、複数のディスプレイ出力や高速データ転送、外部GPU(eGPU)の接続など、さまざまな用途に対応できるのが強みです。
冷却性能と安定性
小型PCで気になるのが冷却性能です。スペースが限られている分、発熱が性能や騒音に直結しやすいからです。
Minisforum UM890 Proには、「Cold Wave 2.2」という独自の冷却システムが採用されています。ヒートパイプ、専用ヒートシンク、アクティブファンを組み合わせた構造で、高負荷時でも安定した動作が期待できる設計です。
ベンチマークテストの結果を見ると、この冷却システムの効果が数値にも表れています。専門メディアのiXBT.comによる「iXBT Application Benchmark 2020」では、リファレンスPCを100とした場合の複合スコアが197を記録。これは、リファレンスPCの約2倍の処理性能を示しています。
冷却性能が十分でなければ、高負荷時にサーマルスロットリング(発熱による性能低下)が発生し、こうしたスコアは出にくくなります。その点、UM890 Proは高いパフォーマンスを維持できる設計になっていると言えるでしょう。
OculinkとUSB4による拡張性
Minisforum UM890 Proの大きな魅力のひとつが、OculinkポートとUSB4ポートの両方を備えている点です。
Oculinkは、外部GPU(eGPU)を接続するためのインターフェースで、USB4よりも低遅延でデータ転送ができるのが特徴です。一方のUSB4も、40Gbpsの転送速度を持ち、eGPUだけでなく、高速ストレージやドッキングステーションなど、さまざまなデバイスを接続できます。
つまり、本体だけではグラフィック性能に不安がある場合でも、後から外部GPUを追加することで、ゲーミング用途や3Dレンダリングなどの重い処理にも対応できるようになるわけです。
ただし、Oculinkポートはホットプラグ(電源を入れたままの抜き差し)に対応していない点には注意が必要です。接続や取り外しの際は、必ず本体の電源を切ってから行うようにしましょう。
また、USB4ポートは65W〜100WのPD(Power Delivery)給電入力に対応しています。対応する電源アダプターを使えば、本体への電源供給をUSB4経由で行うことも可能です。
気になる騒音と設置場所
ミニPCを検討する際、気になるのが動作音です。特に、デスク上で使用する場合、ファンの騒音が気になることがあります。
公式情報では、ファンの仕様や騒音値について具体的な数値は公開されていませんが、Cold Wave 2.2冷却システムは、性能と静音性のバランスを考慮して設計されています。ただし、高負荷時にはファンが回転するため、ある程度の動作音は発生すると考えられます。
設置場所については、本体サイズがコンパクトなため、モニターの横やディスプレイスタンドの下など、限られたスペースにも置きやすいでしょう。通気性を確保できる場所に設置することが、冷却性能を最大限に引き出すポイントです。
Minisforum UM890 Proのメリットとデメリット
ここまでの情報を踏まえて、メリットとデメリットを整理してみます。
メリット
まず最大のメリットは、コンパクトなサイズながら、AMD Ryzen 9 8945HSによる高い処理性能を発揮できる点です。クリエイティブワークやAI処理、コーディングなど、負荷の高い作業にも十分対応できます。
次に、OculinkとデュアルUSB4ポートによる高い拡張性です。必要に応じて外部GPUを追加できるため、用途に合わせて性能をアップグレードできるのは大きな強みでしょう。
さらに、HDMI 2.1とDisplayPort 1.4、さらにUSB4による映像出力も合わせれば、最大4台以上のディスプレイに出力できる可能性があります。マルチモニター環境を構築したい方にも向いています。
デメリット
一方で、デメリットもいくつか考えられます。
まず、内蔵GPU(Radeon 780M)は高性能ですが、最新の3Dゲームを最高画質でプレイするには、外部GPUの追加が必要になる場合があります。ゲーミングがメイン用途の方は、その点を考慮する必要があるでしょう。
また、高性能な分、価格もエントリーモデルのミニPCよりは高価になります。コストパフォーマンスを重視する方は、同価格帯のデスクトップPCやノートPCと比較検討することをおすすめします。
こんな人におすすめ
Minisforum UM890 Proが向いているのは、次のような方です。
- 省スペースで高性能なPCを求めている方
- 動画編集、3Dモデリング、音楽制作などのクリエイティブワークを行う方
- AI処理や機械学習に興味がある方
- 将来的に外部GPUを使ってパフォーマンスを向上させたい方
- マルチモニター環境を構築したい方
逆に、以下のような方にはあまり向いていないかもしれません。
- とにかく安価なPCを求めている方
- 最新のAAAゲームを最高画質でプレイすることを最優先する方
- PCの拡張性よりも、最初から高いグラフィック性能が必要な方
購入前に確認すべきポイント
Minisforum UM890 Proの購入を検討する際には、いくつか確認しておきたいポイントがあります。
まず、価格についてです。公式サイトでは税抜価格が表示されていますが、実際の販売価格は為替レートやキャンペーンの有無によって変動します。購入時には、正規販売店やECサイトでの最新価格を必ず確認しましょう。
また、メモリやストレージは自分で増設・交換することも可能ですが、分解には注意が必要です。保証期間中は、自己責任での分解が保証対象外となる場合もあるため、事前に公式サポートや販売店の保証規定を確認しておくことをおすすめします。
さらに、Oculinkポートを使ったeGPU接続を考えている方は、対応するeGPUドックやグラフィックボードの互換性についても事前に調べておくとよいでしょう。
よくある疑問
Q. ゲームはできますか?
内蔵のRadeon 780Mだけでも、多くのゲームがプレイ可能です。ただし、最新の3Dゲームを高画質設定で楽しみたい場合は、外部GPUの追加を検討したほうがよいでしょう。
Q. 外部GPUは簡単に接続できますか?
OculinkポートまたはUSB4ポートを使って接続できます。Oculinkの方が低遅延で接続できますが、ホットプラグには非対応なので、接続や取り外しの際は本体の電源を切ってから行う必要があります。
Q. メモリやSSDは後から増設できますか?
はい、可能です。DDR5-5600MHzのSO-DIMMスロットが2つ、M.2 2280 PCIe4.0 SSDスロットが2つあります。最大メモリ容量は96GBまで対応しています。
Q. 騒音はどのくらいですか?
公式情報では具体的な数値は公開されていません。高負荷時にはファンが回転するため、一定の動作音は発生しますが、Cold Wave 2.2冷却システムは性能と静音性のバランスを考慮した設計です。
Minisforum UM890 Proのまとめ
Minisforum UM890 Proは、コンパクトなサイズに最新のRyzen 9プロセッサーを搭載し、高い拡張性を備えたミニPCです。
ポート類の充実度、冷却システムの性能、そしてOculinkとUSB4の両方を備える拡張性は、同クラスの製品と比較しても遜色のないスペックと言えるでしょう。
動画編集やAI処理、クリエイティブワークなど、高い処理能力が求められる作業をメインにしながら、将来的に外部GPUを追加してゲーミング環境も整えたい方にとって、選択肢のひとつになる製品です。
購入を検討される方は、ぜひ公式サイトや正規販売店で最新の価格や在庫状況を確認し、ご自身の用途に合うかどうか、じっくり比較検討してみてください。

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