2025年5月のCOMPUTEXで「これはすごい!」と話題を集めたMinisforumのAIミニPC群。あの時は「参考出品」だった製品たちが、実はその後、めちゃくちゃ進化して現実のものになっているってご存知でしたか?実は2025年12月にはAMDと共同で発表会が開かれ、価格や具体的な性能データまでバッチリ公開されているんです。この記事では、COMPUTEX 2025の展示内容を振り返りつつ、その後の正式発表やIFAでの受賞、さらには日本市場への本格参入といった最新情報まで、いち早くお届けします。「展示だけで終わったんでしょ?」と思っている方、ぜひ最後まで読んでみてください。話がまったく違ってきますから。
COMPUTEX 2025でMinisforumが仕掛けた「3つの衝撃」
まずはおさらいです。2025年5月に台北で開催されたCOMPUTEX 2025。Minisforumのブースは、例年以上に熱気を帯びていました。というのも、彼らが掲げたのは「AI PCの常識を覆す」という、かなり野心的なテーマ。実際に展示されていたのは、どれもこれも「これ、本当にミニPCなの?」と目を疑うようなマシンばかりでした。
特に注目を集めたのが3つの製品。AI処理に特化したデスクトップ型の「MS-S1 MAX」、5ベイのNASでありながらAI PCとしても機能する「N5 Pro」、そしてまさかのARMアーキテクチャを採用した「MS-R1」です。この中でもMS-S1 MAXとN5 Proは、会場で「これは製品化されるの?」という質問が一番多かったモデル。実際にTechPowerUpの実機レポート(2025年5月)でも、詳細なスペックが確認されています。
ただ、多くの来場者が感じたのは「まだ夢物語だな」という印象だったのも事実。なぜなら、価格も発売日も未定。スペックシートは華やかだけど、実際に手にできるかどうかは別問題――そう思っていた人も少なくなかったはずです。ですが、その「夢物語」は、わずか半年後には現実のものとなります。続けてその詳細を見ていきましょう。
2025年12月、AMDとの共同イベントで明らかになった「現実」
2025年12月10日。MinisforumはAMDと手を組み、中国・北京で「智算前沿・焕芯未来」と題した共同イベントを開催しました。このイベント、一般的な発表会とはちょっと違いました。単に新製品を紹介するだけでなく、実際に動作デモを見せながら、「この製品でここまでできる」 という具体的なユースケースを提示したんです。
ここで正式に発表されたのが、MS-S1 MAXとN5 Proの詳細スペックと価格。しかも、単なるスペックの羅列じゃありません。特にMS-S1 MAXについては、4台をクラスタリングしてDeepSeek 671Bという巨大なQ4モデルを動作させるデモが行われました。これ、どういうことかというと、従来だったら5UサイズのラックサーバーとRTX 5090みたいなハイエンドGPUが何枚も必要だった処理を、デスクの上に置けるサイズのマシン4台で実現しちゃったわけです。
このクラスタ構成、体積は従来比で65%減、消費電力は80%減、そしてコストなんと77%削減という驚きの数値が公表されています(新华网、2025年12月のレポートより)。この数値、かなりインパクトありますよね。だって、ローカルLLMを動かそうと思うと、これまでは「高い買い物」が当たり前だったのが、ぐっと手の届く範囲になったってことですから。
しかも、MS-S1 MAXの単体スペックもハイスペック。AMD Ryzen AI Max+ 395を搭載し、最大128GBのLPDDR5xメモリに対応。TDPは130Wで、それをしっかり冷やすために銅ベース+6本のヒートパイプ+デュアルファン+PCM素材という、かなり本格的な冷却ソリューションが採用されています(PC Watch、2025年10月の記事より)。この冷却設計、単に「スペックが高い」だけじゃなくて、「常用できる実用機」として設計されているのが伝わってきますよね。
N5 Pro:NASの枠を超えた「AIストレージ」の実力
続いてN5 Proも、この共同イベントで詳細が明らかになりました。COMPUTEXの時点では「5ベイのNASでAMDプロセッサ積んでます」という程度の情報しかなかったんですが、実際にはもっと深い製品でした。
搭載されるのはAMD Ryzen AI 9 HX PRO 370。そして最大144TBのストレージを管理できるという、NASとしてはかなりパワフルなスペック。でも、本当に注目すべきはその先。N5 ProはMinisCloud OSという独自OSを搭載していて、単なるファイルサーバーじゃなくて、AI処理までこなせる「AIストレージ」として設計されているんです。この辺りのコンセプトが評価されたのか、N5 Proは2025年9月に開催されたIFA 2025で「AI Storage Technology Innovation Award」を受賞しています(Minisforum KR公式ブログより)。
ここで気になるのが価格。このN5 Pro、米国での販売価格は$1,019と発表されました(TMCnet、2025年12月)。もちろん、この価格にはストレージは含まれていないでしょうけど、それでも「AIが動くNAS」と考えたら、決して高くない印象です。というのも、従来のハイエンドNASでも似たような価格帯はざらにありますから、それでAIまで使えるとなると、コスパはかなり良いと言えるでしょう。
ただ、ここで一つ気をつけたいのがPCIeスロットの仕様。COMPUTEXの実機レポート(TechPowerUp、2025年5月)によると、N5 ProのPCIeスロットは物理的にはx16の形状なんですが、電気的にはPCIe 4.0 x4で動作するそうです。つまり、グラボを挿しても帯域がx4までしか出ない。この点は上位記事でも誤解して「x16対応」と書いているケースがあったので、正確には「形状x16、電気的x4」というのを頭に入れておいたほうが良さそうです。
異色のARMマシン「MS-R1」の全貌
そして、もう一つCOMPUTEXで話題になったのが、ARMアーキテクチャを採用したMS-R1です。当初は「なぜARM?」という声も多かったんですが、2025年11月にその詳細が明らかになりました(Wccftechより)。
搭載されるのはCIX P1という中国製のARMプロセッサ。6nmプロセスで、12コア、NPU性能は30 TOPS、GPUにはImmortalis G720を採用しています。何より面白いのが、このマシン、PCIe x16スロットを備えていること。ARMマシンでここまで拡張性を意識した製品は珍しいですよね。
ただ、現時点(2026年7月)では、このMS-R1がどういうユースケースを想定しているのか、まだはっきり見えていない部分もあります。Windows on ARMは確かに進化していますが、互換性の問題は完全には解決していません。それでもMinisforumがARMに踏み切ったのは、おそらく長期的な戦略。x86に依存しない選択肢を、というメッセージかもしれません。
ユーザーの本音:価格と実用性の狭間で
さて、ここまで最新の公式情報をガッツリ見てきましたが、実際にユーザーはどう感じているのでしょうか。SNSや掲示板での声を集計してみると、いくつかの興味深い傾向が見えてきました(Xおよび5ちゃんねるでの観測、2026年7月6日時点)。
ポジティブな声としては、やはりMS-S1 MAXのローカルLLM性能への期待が大きいです。「RTX 4090より速いって本当なら革命だ」「エッジAIの実験環境としてこれ以上ない」といった趣旨の投稿が複数見られました。また、N5 Proについては「Synologyの閉鎖性に不満があったので、PCIeで拡張できるNASは理想に近い」という声も。自作PCユーザーからの支持が特に強い印象です。
その一方で、ネガティブな声ももちろんあります。最も多かったのが価格に対する懸念。MS-S1 MAXの$2,639.90という価格について、「個人で買うレベルじゃない」「業務用だよね」という意見が多く見られました。また、N5 ProのMinisCloud OSについては「TrueNASやUnraidと比べてどうなのか未知数」「完成度が心配」といった慎重な見方も。
さらに、COMPUTEXのレポートではほとんど触れられていなかった論点として、「騒音と冷却」と「Linux互換性」が挙げられます。高性能CPUを詰め込んだミニPCは、どうしてもファンノイズが気になるもの。常用するとなるとこの辺りのインプレッションがもっと欲しいという声がありました。また、MS-R1やAMDモデルでのLinuxサポート状況も、技術系ユーザーには気になるポイントのようです。
日本市場への本格参入が意味するもの
ここまで読んで「確かに製品はすごいけど、日本じゃいつ買えるの?」と思った方もいるはず。そこもちゃんと動いています。
2025年10月22日、MinisforumはJapan IT Weekで日本法人の立ち上げを正式に発表しました(PC Watchより)。これまでは並行輸入品的な扱いで、サポート面が不安だったユーザーも多かったはず。しかし今回の発表では、アフターサービスの拡充も宣言されています。具体的にどのレベルまでサポートが向上するのかはまだ未知数ですが、少なくとも「日本語での問い合わせができる窓口」や「国内での修理対応」が視野に入っているのは間違いなさそうです。
この日本法人設立のタイミングが、MS-S1 MAXやN5 Proの正式発表(12月)とほぼ重なっているのも偶然じゃないでしょう。日本市場を本気で攻めるつもりなんだな、というのが伝わってきます。
COMPUTEX 2025から現在まで:Minisforumが描くAIの未来
さて、ここまでの情報を総合すると、MinisforumはCOMPUTEX 2025の時点で「こういう未来が来るよ」と予告していたものが、わずか半年後には具体的な製品と価格、そして実証データを伴って現実化していることがわかります。
特に注目すべきは、単に「高性能なミニPC」を出すのではなく、「ローカルLLMをいかに手軽に動かすか」「NASをAIのプラットフォームにするにはどうするか」といった、明確なビジョンに基づいて製品開発が進められている点です。MS-S1 MAXのクラスタリングデモなんて、まさにその象徴。従来のサーバーインフラを置き換える可能性すら示唆しています。
ただし、課題がないわけじゃありません。価格は依然として高いですし、OSやソフトウェア面の完成度も未知数。特にN5 ProのMinisCloud OSは、この製品の成否を分けるキモになるでしょう。また、発売から時間が経ってからのユーザーレビューや、実際の常用シーンでの安定性も、これから確認していく必要があります。
それでも、ミニPC市場にこういう「尖った」製品が出てくるのは、ユーザーとしてはワクワクしますよね。従来の大手メーカーがやらないチャレンジを、Minisforumはどんどん仕掛けています。
COMPUTEX 2025で未来を見たなら、今がその入り口です
いかがでしたか?COMPUTEX 2025の時点では「参考出品」だったMinisforumの新製品群が、実はその後にめちゃくちゃ進化していたこと、そしてすでに具体的な価格と発売情報が出揃っていることがおわかりいただけたと思います。
あの時展示を見て「いつか買いたい」と思った人も、逆に「展示だけで終わるだろ」とスルーした人も、今一度、最新情報をチェックし直すタイミングが来ています。特にMS-S1 MAXとN5 Proは、従来のPCやNASの概念をいい意味でぶち壊してくれる製品になる可能性を秘めています。
もちろん、価格が高いとか、OSが未知数だとか、不安材料もゼロじゃありません。でも、それ以上に「ここまでできちゃうんだ」という驚きと可能性を感じられる製品たちです。今後の日本国内での販売動向や、実際のユーザーレビューにも注目しつつ、自分にとっての「買い時」を見極めていくのが良さそうですね。
気になるあの製品をチェックしてみよう
ここで、この記事で取り上げた製品の中から、特に注目度が高いモデルをいくつかピックアップして紹介します。
MS-S1 MAX
MS-S1 MAXは、まさにMinisforumが描くAIの未来を体現した一台。最大128GBメモリとRyzen AI Max+ 395の組み合わせで、デスクトップにいながらにして巨大なローカルLLMを動かすことができるのは、エンジニアやAI開発者にとっては夢のようなマシンです。4台クラスタリングという使い方も視野に入れておきたいですね。
N5 Pro
N5 Proは、NASでありながらAI PCでもあるという新しいカテゴリーの製品。5ベイで最大144TBのストレージを管理できるだけでなく、AI処理にも使えるというのは、クリエイターや小規模オフィスにとっては「ストレージと演算が一つにまとまる」という大きなメリットがあります。
MS-R1
そしてMS-R1。ARMアーキテクチャでありながらPCIe x16スロットを持つ異色のミニPC。x86ではないという制約はあるものの、特定の用途や実験環境としては非常に面白い選択肢になるはずです。今後のエコシステムの拡大にも期待したい一台です。
これらの製品、どれも「まだまだ発展途上」という側面はあります。でも、それがむしろ面白い。完成された製品を買うのも良いけど、新しい可能性の入り口に立っている今を楽しむのも、テック好きにはたまらない醍醐味ですよね。COMPUTEX 2025で見た未来は、もうすぐそこまで来ています。

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