MinisforumのミニPCでLinuxやHackintoshを動かそうと思ったとき、最初にぶち当たる壁が「Secure Boot(セキュアブート)」の無効化です。結論から言うと、ほとんどのMinisforum機種ではBIOSの「Security」タブからSecure Bootを「Disabled」に変更するだけでOK。ただし、機種によってBIOS画面の見た目が違ったり、無効化した後にWindowsがBitLocker回復キーを求めたりと、ちょっとした落とし穴があります。
この記事では、Minisforum V3、HX90G、UM780XTXといった主要モデル別の手順はもちろん、Secure Bootを切ったあとに起こりがちなトラブルの対処法まで、実際のユーザー報告をもとに徹底解説します。2026年4月時点の最新情報を反映しているので、これから導入を考えている人はぜひ最後までチェックしてみてください。
MinisforumでSecure Bootを無効化する前に知っておくべきこと
いきなりBIOSをいじる前に、まずはSecure Bootの無効化が本当に必要なのか、そしてどんな影響があるのかを整理しておきましょう。
Secure Bootは、起動時にOSやドライバのデジタル署名を検証するセキュリティ機能です。Windows 11では標準で有効になっていて、署名されていないOSやブートローダーは起動を拒否されます。Linuxディストリビューションの多く(UbuntuやFedoraなど)は署名対応していますが、カスタムカーネルやHackintoshを動かす場合はほぼ確実に無効化が必要です。
無効化によるリスクとしては、まずWindowsのBitLockerが反応して回復キーを求められるケースがあります。Microsoft Learn(2025年公開)のドキュメントによると、Secure Bootを含むセキュリティ設定の変更はBitLockerの保護状態をトリガーする仕様になっています。事前に回復キーをMicrosoftアカウントやUSBメモリにバックアップしておけば、焦らず対応できます。
また、Windows Helloの顔認証やPINが無効化されるという報告も複数あります(RedditでのV3ユーザー報告、2024年)。つまり、パスワード入力が一時的に必須になるということ。これらを踏まえたうえで、次の手順に進みましょう。
機種別Secure Boot設定手順:V3・HX90G・UM780XTX
ここからが本題です。Minisforumシリーズは基本的にBIOSの構造が似ていますが、機種によってメニュー表記や細かい挙動が異なります。手持ちのモデルに合わせて読んでください。
共通の前提:BIOSへの入り方
全機種共通で、電源投入直後にDelキー(Deleteキー)を連打するとBIOSセットアップ画面に入れます。ただし、UM780XTXでは「Delキーが効かない」という報告が複数ありました(Reddit r/MiniPCs、2024年4月)。もし反応しない場合は、キーボードをUSBポートに挿し直す、またはF2キーを試してみてください。まれにUSB機器の認識が遅れることがあるので、キーボードにLEDが点灯するのを確認してから連打するのがコツです。
Minisforum V3の場合
V3はタブレット型のミニPCで、BIOSのUIも他機種と少し異なります。
- DelキーでBIOSに入ったら、画面上部の「Security」タブを選択。
- 「Secure Boot」という項目を探し、矢印キーで選択してEnter。
- 表示される選択肢から「Disabled」を選んでEnter確定。
- F10キーを押して「Save changes and Reset」を選択し、再起動。
V3ではこの操作後、Windowsに戻るとBitLocker回復キーが要求されることがあります(前述のReddit報告より)。事前に回復キーを控えておきましょう。
Minisforum HX90G / HX99Gの場合
HXシリーズもほぼ同じですが、CSDNブログ(2022年公開)の手順が参考になります。
- BIOS起動後、「Security」タブへ移動。
- 「Secure Boot」→「Enabled」を「Disabled」に変更。
- 一部のBIOSバージョンでは「Secure Boot Mode」が「Standard」になっている場合があるので、そのまま「Disabled」が優先されます。
- F4(またはF10)で保存して終了。
HX90GではHackintosh導入のためにこの設定がよく行われていますが、Windows側の影響報告は少なめです。
Minisforum UM780XTXの場合(注意点あり)
このモデルは特に注意が必要です。UM780XTXではSecure Bootを無効化した後、電源コードを抜いて再投入するとLinuxが起動しなくなるというトラブルが報告されています(Reddit r/MiniPCs、2024年4月15日投稿)。この問題はBIOSバージョンv1.05で確認されており、原因はSecure Boot以外のBIOS設定やNVMe認識のバグと推測されていますが、公式な解決策はまだ発表されていません。
手順自体は他のモデルと同じで、「Security」→「Secure Boot」→「Disabled」ですが、もしLinuxが起動しなくなった場合は、CMOSクリア(マザーボード上のボタン電池を一時的に外す)でBIOSをリセットするか、Minisforum公式サポート(https://www.minisforum.com/support )に問い合わせることをおすすめします。
Secure Boot無効化後に起こるWindows障害とその対処法
ここまでで設定は完了……といきたいところですが、実はトラブルの本番はここからです。Secure Bootを切ったあとにWindowsが起動しなくなる、PINが使えなくなるといった声が複数寄せられています。事前に対処法を知っておけば、慌てずに済みます。
BitLocker回復キー要求への対応
もっとも多いのが、起動時に「BitLocker回復キーを入力してください」というブルー画面です。これは先述の通り、セキュリティ設定変更に対する保護措置です。
対処法:
- Microsoftアカウントでサインインしている場合:別のPCやスマホから https://account.microsoft.com/devices/recoverykey にアクセスし、回復キーを取得。
- 回復キーをUSBに保存していた場合:そのUSBを挿入して案内に従う。
- もしどちらもない場合は、Windowsのインストールメディアから修復コンソールを起動し、コマンドプロンプトで
manage-bde -unlock C: -RecoveryPassword {キー}を実行する方法もあります(ただしキーがないとどうにもなりません)。
予防策: BIOSをいじる前に、必ず回復キーをバックアップしてください。これはMicrosoft Learnの公式ドキュメント(2025年)でも強く推奨されています。
Windows Hello / PIN認証が使えなくなる問題
V3ユーザーの報告(Reddit、2024年)によると、Secure Bootを切ると顔認証やPINが利用できなくなるケースがあります。これはTPM(トラステッド・プラットフォーム・モジュール)とSecure Bootの連携が原因と考えられます。
対処法:
- 一時的にパスワードログインを使用する。
- Windowsの設定→アカウント→サインインオプションからPINを再設定する。ただし再設定には管理者権限とインターネット接続が必要な場合があります。
- どうしても復旧しない場合は、Secure Bootを一時的に「Enabled」に戻してPINを再設定し、再度無効化するという方法もあります(ただし手間はかかります)。
Linux導入時のMOK署名という代替手段
Secure Bootを完全に切らずにLinuxを動かす方法もあります。それがMOK(Machine Owner Key) の登録です。
簡単に言うと、自分で署名したキーをファームウェアに登録することで、Secure Bootを有効にしたままカスタムOSやドライバを起動できるようにする仕組み。UbuntuやFedoraは標準でこの仕組みに対応しており、インストール時に「MOKを登録しますか?」というダイアログが表示されることがあります。
この方法のメリットは、WindowsのBitLockerやPINが影響を受けにくいこと。ただし、手順がやや複雑で、キー登録には一時的なパスワード設定や再起動が数回必要です。Linuxに詳しい中上級者向けの選択肢ですが、「WindowsもLinuxもストレスなく使いたい」という人には有力な手段です。
MinisforumのSecure Boot設定に関するよくある質問
Q1. BIOSでSecure Bootがグレーアウトして変更できない
A. セキュリティ設定のロックがかかっている可能性があります。「Administrator Password」が設定されている場合は、それを一度解除(空欄にして保存)してから再度試してみてください。また、「Secure Boot Mode」が「Custom」になっていると変更できない場合があるので、「Standard」に戻してから操作してみましょう。
Q2. 設定を保存したのに、再起動後にSecure Bootが有効に戻っている
A. BIOSのバッテリー(CR2032ボタン電池)が切れかけている可能性があります。設定が保持されない場合は、電池交換を検討してください。また、Minisforumの一部モデルでは「Fast Boot」が有効だと設定がスキップされることがあるので、Fast Bootを一旦「Disabled」にしてから再試行してみてください。
Q3. Delキーを押してもBIOSに入れない
A. キーボードがUSBハブ経由で接続されている場合は、直接本体USBポートに挿し直してください。また、外付けキーボードの接続タイミングが遅れる場合があるので、PC電源投入と同時にキーを連打するのではなく、画面が点灯するタイミングを狙って連打すると成功率が上がります。それでもダメな場合は、Windowsの「設定」→「回復」→「PCの起動をカスタマイズする」からUEFIファームウェア設定を直接起動する方法も使えます。
まとめ:MinisforumでSecure Bootを無効化するなら事前準備が命
MinisforumのミニPCでSecure Bootを無効化する作業自体は、どの機種でも「SecurityタブでDisabledにする」というシンプルな操作です。ですが、その後に待ち受けるBitLocker回復キーの入力やPIN認証の無効化といったトラブルに備えることが、本当の意味での「成功」への鍵になります。
特にUM780XTXのように電源再投入でLinuxが起動しなくなる事例もあるので、もし不安な場合はMinisforum公式サポート(https://www.minisforum.com/support )に問い合わせつつ、BIOSバージョンも含めて自分の環境を整理しておくことをおすすめします。
記事の最後に、実際の導入で役立つアイテムをいくつか紹介しておきます。
それでは、あなたのMinisforumライフがスムーズに進むことを願っています。何かトラブルに直面したら、焦らずにこの記事の対処法を試してみてくださいね。

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