結論からお伝えします。Minisforum HM90の公式BIOSアップデートファイルは、2026年7月時点でMinisforum公式サイトから直接ダウンロードできる状態を確認できていません。 ただし、2025年7月に公開された非公式のアップデート手順情報があり、状況が変わりつつある可能性も見えてきました。この記事では、HM90のBIOSアップデートに関する最新の一次情報をもとに、実際にできる対策と注意点をまとめています。
HM90のBIOSアップデートは本当に存在しないのか?最新状況を整理
まず、HM90のBIOSアップデートに関する情報を時系列で整理してみましょう。2022年5月にはManjaro Linuxフォーラムで「Minisforum PCのBIOSアップデートが見つからない」という投稿が確認されていました。続く2022年10月には、heise onlineフォーラムでも同様に「BIOS/UEFIアップデートが存在しない」と報告され、WindowsとLinuxの両方でランダムなクラッシュ(グリーンスクリーン)が発生するという不安定な状況が語られていました。
ところが、2025年7月7日にGitHub上で「MinisforumデバイスのBIOSアップデート用ブータブルUSBをLinux上で作成する」という手順を含むリポジトリが更新されました。このリポジトリは非公式ながら、Minisforum製デバイスのBIOSアップデート手順を詳細に解説しており、アップデートによってBIOSが工場出荷状態に戻ること、RAIDモード有効時には全ハードドライブがフォーマットされるという重要な注意点も明記されています。
ただし、この手順を実行するには「Minisforum WebサイトからBIOSアップデートファイルを入手する」必要があるとされていますが、HM90に該当するファイルが具体的にどこにあるのかは、2026年7月現在も確認できていません。
なぜHM90は不安定になるのか?ユーザー報告から見える実態
HM90を長く使っているユーザーからは、いくつかの共通した悩みの声が寄せられています。複数のフォーラムやQ&Aサイトを調査したところ、以下のような傾向が見られました。
- 突然のフリーズやカーネルパニックが発生し、その度に再起動を余儀なくされる(Proxmoxフォーラム、heise onlineフォーラム)
- Ubuntu環境でWi-FiやBluetoothが認識されない、USBが突然切断される(Qiita)
- 原因が特定しづらく、メーカーのサポート情報も少ないため、ユーザー同士で情報交換せざるを得ない
特にProxmoxフォーラムでは、2025年4月にカーネルパニックに悩むユーザーに対し「BIOSアップデートがあるか確認してほしい」というアドバイスが寄せられていました。同時に、c-states(省電力機能)を無効化することで安定したという報告もあり、ソフトウェアレベルでの対策が有効なケースもあることがわかります。
公式BIOSアップデートがない場合の具体的な安定化対策
BIOSアップデートが入手困難な現状では、以下の代替策を試す価値があります。これらは実際のユーザー報告に基づくもので、効果には個体差がある点にご注意ください。
カーネルパラメータの修正(Ubuntu/Debian系)
2023年2月に公開されたQiitaの記事では、Ubuntu 20.04環境でのUSB切断問題に対して、grub_cmdlineに以下のパラメータを追加する方法が紹介されています。
iommu=soft usbcore.autosuspend=-1
この設定により、IOMMU(入出力メモリ管理ユニット)の動作をソフトウェア処理に切り替え、USBの自動サスペンドを無効化します。結果として、USBデバイスの認識が安定したという報告があります。
c-statesの無効化(Proxmox環境)
Proxmoxフォーラムでは、カーネルパニック対策としてCPUの省電力機能(c-states)を無効化することが提案されています。具体的な手順はフォーラム内で議論されていますが、BIOS設定でC-Stateを無効にするか、カーネルブートパラメータにprocessor.max_cstate=1を追加する方法が一般的です。
メモリテストの実施
不安定動作の原因がBIOSではなくハードウェアにあるケースも少なくありません。Memtest86+などを使用したメモリテストを一晩実行し、エラーが発生するか確認することをおすすめします。HM90は特にメモリ互換性に敏感な傾向があるとの指摘もあります。
2025年に公開されたBIOSアップデート手順(非公式)の内容と注意点
GitHubリポジトリ(wdiazux/minisforum-bios-update)で公開されている手順は、あくまで非公式ですが、技術的な参考情報として価値があります。主な内容は以下の通りです。
- ツール: sgdisk、parted、dosfstoolsを使用してブータブルUSBを作成
- 注意点1: BIOSアップデート後は工場出荷状態に戻る
- 注意点2: RAIDモード有効時は全ハードドライブがフォーマットされる(データ消失のリスク)
- 前提条件: Minisforum公式サイトから該当デバイスのBIOSアップデートファイルを別途入手する必要がある
ここで重要なのは、この手順がHM90専用ではなく「Minisforumデバイス全般」を対象としている点です。実際にHM90で動作するかは、ファイルが入手できた場合でも自己責任で試すことになります。
HM90ユーザーが今すぐできることと今後の展望
現時点で最も現実的なアプローチは、以下の3つです。
- 公式サポートへの問い合わせ: Minisforum公式サポートにHM90のBIOSアップデートの有無を直接確認する。最新のファームウェアが内部的に存在する可能性もあります。
- 代替安定化策の実施: 前述したカーネルパラメータ修正やc-states無効化を試す。
- コミュニティ情報の継続ウォッチ: Redditのr/MinisforumやSTH(ServeTheHome)フォーラムなどで、HM90関連の新情報がないか定期的にチェックする。
2022年から2023年にかけては「HM90にBIOSアップデートはない」というのが定説でした。しかし、2025年に非公式ながらアップデート手順が公開されたことで、状況が変わる可能性もゼロではありません。公式サイトを定期的に確認し、新しいファイルがアップロードされていないかチェックする習慣をつけておくとよいでしょう。
HM90の安定運用におすすめの周辺機器・OS環境
BIOSアップデートが難しいからこそ、安定動作させるための環境選びが重要になります。実際のユーザー報告をもとに、相性の良い選択肢を紹介します。
Samsung 970 EVO Plus M.2 NVMe SSD
NVMe SSDはHM90との相性が比較的良好で、Linux環境での認識トラブルが少ないという報告があります。OSの起動ドライブとして信頼性を求める場合に適しています。
Crucial CT2K16G4SFD8266 DDR4 SO-DIMM メモリ
HM90ではメモリ互換性が不安定さに直結するケースが指摘されています。CrucialのSO-DIMMメモリは多くのユーザーが採用しており、動作実績が豊富です。
Noctua NF-A9x14 PWM ファン
HM90の冷却性能を補うためのファン交換も検討されています。特に高負荷時の温度上昇が気になる場合、静音性と冷却性能のバランスが取れたこのモデルがおすすめです。
Ubuntu 22.04 LTS (無料OS)
カーネルバージョンが新しいほど、HM90のデバイスドライバ対応が改善される傾向があります。Ubuntu 22.04 LTSはコミュニティでの情報も多く、トラブルシューティングがしやすい環境です。
まとめ:HM90のBIOSアップデートは諦めるべき?それとも期待できる?
ここまでの情報を総合すると、HM90の公式BIOSアップデートは現時点では確実に入手できる状態にはありません。ただし、2025年7月に非公式のアップデート手順が登場し、Minisforum製デバイス全体としてのサポート体制が徐々に整いつつある可能性も示唆されています。
重要なのは、「BIOSアップデートがない=HM90を使い続けられない」ではないということです。カーネルパラメータの調整やc-statesの無効化、メモリテストといった代替策を組み合わせることで、多くのユーザーが実用的なレベルで運用できています。
今後もMinisforum公式サイトとコミュニティフォーラムの動向には注目し続けましょう。新しいBIOSファイルがアップロードされた場合、この記事も随時アップデートする予定です。まずは今できる対策から始めてみてください。

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