AOOSTARのRyzen 7 5825U搭載ミニPCとは?
「AOOSTAR(天钡)」は、中国を拠点とするミニPCメーカーです。特にNAS(ネットワークHDD)用途や省スペースデスクトップとして使えるコンパクトなPCを多く展開しています。
その中でも、AMDのRyzen 7 5825Uを搭載したミニPCシリーズは、処理性能と消費電力のバランスがよく、幅広い用途で注目を集めています。
この記事では、AOOSTAR WTR PRO、AOOSTAR G5を中心に、それぞれのモデルの違いや特徴、どんな人に向いているのかを整理して解説します。
同じRyzen 7 5825Uでもモデルが違う?AOOSTARのラインナップ
AOOSTARのRyzen 7 5825U搭載ミニPCは、大きく分けて以下のモデルが確認できます。
- WTR PRO:4ベイSATA HDDを搭載可能なNAS特化型モデル
- G5シリーズ:小型・軽量でOculinkポートを備えたデスクトップ向けモデル
- R7:2ベイのストレージを備えるバランス型モデル(WTR PROのコンパクト版)
どのモデルも同じCPUを搭載していますが、ストレージ構成やポート類、サイズが大きく異なります。
共通する基本スペック(Ryzen 7 5825U)
まず、すべてのモデルに共通するCPUの基本スペックを確認しておきましょう。
- CPU:AMD Ryzen 7 5825U(8コア / 16スレッド)
- 最大動作周波数:4.5GHz
- 対応メモリ:DDR4 3200MHz、最大64GB
- グラフィック出力:HDMI + DP + Type-Cで3画面同時4K出力可能
- ネットワーク:WiFi 6 / Bluetooth 5.2対応
- 対応OS:Windows 11 Proのほか、UbuntuやESXi、PVEなどにも対応
このCPUは、ベンチマークスコアでIntel N100搭載モデルよりも大幅に性能が高いとされており、動画編集や仮想化、NASとしての快適な動作が期待できます。
用途別に選ぶ!各モデルの特徴とメリット・デメリット
ここからは、各モデルの特徴を比較しながら見ていきます。
1. AOOSTAR WTR PRO(NAS・サーバー用途に最適)
WTR PROは、4ベイのSATA HDDを搭載できるNAS特化型モデルです。最大で4台×22TB=88TBもの大容量ストレージを構築できます。
特徴とメリット
- 貫通型冷却構造と12cmの静音ファンを搭載し、HDDの熱を効率的に逃がす設計
- 2.5G LANポートを2つ搭載しており、ネットワーク経由でのデータ転送も高速
- 15W〜25Wの低消費電力で、24時間稼働にも向いている
- 3画面4K出力に対応し、NASとしてだけでなく軽いデスクトップ作業にも使える
デメリット
- ベアボーン(本体のみ)のため、RAMやSSD、OSは別途用意する必要がある
- 本体サイズが228×150×185mmとやや大きめ(ただし、4ベイHDD搭載機としてはコンパクト)
こんな人に向いています
- 自宅に大容量のファイルサーバーやメディアサーバー(Plexなど)を構築したい人
- ソフトウェアルーター(OPNsense / OpenWrt)や仮想環境(ESXi / PVE)を運用したい人
- 24時間稼働でも電気代を気にせず使いたい人
こんな人には向いていません
- デスク周りをとにかくコンパクトにしたい人
- 外付けGPUを使ってゲームを楽しみたい人
2. AOOSTAR G5(小型デスクトップ・外部GPU拡張向け)
G5シリーズは、サイズ13×13×6cm、重量660gの超小型モデルです。金属筐体を採用し、デスク上に置いても存在感が少ないのが特徴です。
特徴とメリット
- Oculinkポートを搭載しており、外部GPU(グラフィックボード)と接続可能
- USB3.2ポートを6つ備え、周辺機器を多く接続できる
- 日本国内向けに千葉サービスセンターでのサポート、12ヶ月保証、日本語マニュアルが付属
- 小型ながらM.2 NVMeスロットを2つ搭載し、ストレージ拡張性も確保
デメリット
- SATAベイはなく、内蔵ストレージはM.2 SSDのみ
- 2.5G LANポートは1つのみ(WTR PROは2つ)
- Windows 11 24H2へのアップデート時に起動しない場合があり、その場合は公式サイトからのBIOS更新が必要
こんな人に向いています
- 省スペースでデスクトップPCを使いたい人
- Oculink経由で外部GPUを接続し、ゲームやGPU負荷の高い作業もこなしたい人
- 日本語サポートや国内保証を重視する人
こんな人には向いていません
- 大容量のHDDを複数搭載したい人
- ネットワークの冗長化や高速化のために2.5G LANを2つ使いたい人
3. AOOSTAR R7(2ベイNAS・バランス型)
R7はWTR PROと同様のNAS機能を持ちながら、ベイ数が2つ(最大44TB)に抑えられたモデルです。
特徴とメリット
- WTR PROと同様に2.5G LANを2つ搭載
- M.2 NVMeスロットも2つ備え、高速ストレージと大容量HDDを組み合わせられる
- WTR PROよりコンパクトで、設置場所を選びにくい
デメリット
- ストレージ容量を重視する人には物足りない(最大88TBに対し44TBまで)
- WTR PROと比較して公式情報が少なく、詳細なサイズや冷却構造が明確でない部分がある
こんな人に向いています
- NAS機能は欲しいが、そこまで大容量は必要ない人
- WTR PROより少しコンパクトなモデルを探している人
モデル比較:WTR PRO vs G5 vs R7
| 比較軸 | WTR PRO | G5 | R7 |
|---|---|---|---|
| 主な用途 | NAS / サーバー | デスクトップ / 外部GPU | NAS(中容量) |
| SATAベイ数 | 4ベイ(最大88TB) | なし | 2ベイ(最大44TB) |
| M.2 NVMeスロット | 2つ | 2つ | 2つ |
| 2.5G LANポート数 | 2つ | 1つ | 2つ |
| Oculinkポート | なし | あり | なし |
| サイズ | 228×150×185mm | 13×13×6cm | 不明(WTR PROよりコンパクト) |
| 保証(参考) | 正規代理店で3年 / Amazonで12ヶ月 | Amazonで12ヶ月 | 同左 |
AOOSTARミニPCを購入する前に確認すべき3つのポイント
1. ベアボーン製品であることを理解する
AOOSTARのミニPCは、基本的に「准系統(ベアボーン)」での販売が中心です。つまり、本体にCPUやマザーボードは搭載されていますが、RAM(メモリ)とストレージ(SSD / HDD)、そしてOSは自分で用意する必要があります。
購入前に、以下の点を確認しましょう。
- 対応メモリはDDR4 3200MHz(SO-DIMM)
- M.2 SSDはNVMe対応のもの
- OSはWindows 11 Proのほか、Linux系もインストール可能
2. 保証・サポート体制を確認する
販路によって保証期間が異なります。
- Amazon経由で購入した場合:12ヶ月保証
- 香港の正規代理店(漢科電腦)経由の場合:3年間保証
日本国内で購入する場合は、Amazon Japanの販売ページ(AOOSTAR G5など)で日本語サポートや国内保証の有無を必ず確認しましょう。
3. Windows 11 24H2の更新には注意(G5シリーズ)
AOOSTAR G5には、Windows 11の24H2へのアップデート後に起動しなくなるケースがあるという注意事項が公式から案内されています。該当する場合は、AOOSTAR公式サイトから最新のBIOSをダウンロードして更新する必要があります。
購入後すぐに使いたい人は、初期状態で安定して動作するOSバージョンを確認しておくとよいでしょう。
よくある質問(Q&A)
Q. AOOSTARのミニPCはNAS専用機ですか?
A. いいえ、WTR PROはNAS用途に最適化されていますが、Windowsをインストールすれば通常のデスクトップPCとしても使えます。R7やG5も同様に、汎用的なミニPCとして利用可能です。
Q. 付属品は何がついてきますか?
A. モデルによって異なりますが、一般的に本体、電源アダプター、HDMIケーブル、VESAマウント(G5シリーズ)などが同梱されます。詳細は各販売ページでご確認ください。
Q. 日本でサポートを受けられますか?
A. AOOSTAR G5については、千葉サービスセンターによるサポートが確認されています。WTR PROやR7については、Amazon US経由の購入となる場合が多いため、日本のサポート体制はモデルによって異なります。
Q. 外付けGPUは使えますか?
A. AOOSTAR G5にはOculinkポートが搭載されており、対応する外部GPUドックを使うことでグラフィック性能を拡張できます。WTR PROやR7にはOculinkポートはありません。
まとめ:あなたの用途に合ったAOOSTARのRyzen 7 5825U搭載ミニPCを選ぼう
AOOSTARのRyzen 7 5825U搭載ミニPCは、同じCPUを搭載しながらも、モデルごとに性格が大きく異なります。
- 大容量NASやサーバー用途を重視するなら → AOOSTAR WTR PRO
- 省スペースで外部GPU拡張も視野に入れるなら → AOOSTAR G5
- WTR PROよりコンパクトでNASも欲しいなら → AOOSTAR R7
いずれのモデルも、ベアボーン製品である点や保証期間、OSのインストール作業が必要な点を理解したうえで、自分の用途に合った製品を選ぶようにしてください。
価格や在庫状況は変動しやすいため、購入前に各販売ページで最新情報を必ず確認することをおすすめします。

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