MinisforumのミニPCやマザーボードを使っていると、「BIOSをアップデートしたいけど、やり方がわからない」「モデルごとに手順が違うの?」といった悩みにぶつかることがありますよね。
BIOSアップデートはパフォーマンスの向上や安定性改善に役立つ一方で、手順を間違えるとデバイスが起動しなくなるリスクもあります。
この記事では、Minisforum製品のBIOSアップデートについて、モデル別の手順や注意点、よくあるトラブルの対処法をまとめて解説します。これからアップデートを検討している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
MinisforumのBIOSアップデートはなぜ必要?
BIOS(Basic Input Output System)は、PCの最も基本的なハードウェアを制御するファームウェアです。Minisforumでは、製品の発売後も安定性の向上や新機能の追加、既知の問題修正のためにBIOSアップデートを随時リリースしています。
特に、ProxmoxやVMware ESXiなどの仮想化環境で使っている場合、BIOSアップデートで動作の安定性が改善されることがあります。実際にMS-01ではBIOSバージョン1.26でProxmoxのカーネルパニックが改善されたという報告があり、アップデートが役立つケースもあるようです。
ただし、BIOSアップデートはあくまで必要に応じて行うものであり、現在の環境で特に問題がなければ無理に更新する必要はありません。アップデートにはリスクが伴うことを理解したうえで、慎重に判断しましょう。
アップデート前に知っておきたいリスクと準備
BIOSアップデートを始める前に、いくつか重要なポイントを押さえておきましょう。
アップデートのリスク
BIOSアップデート中に電源が切れたり、誤ったファイルを実行したりすると、デバイスが起動しなくなる「文鎮化」のリスクがあります。特に、特定のモデルではバージョンを戻す(ダウングレード)と文鎮化する危険性が指摘されています。
アップデートは自己責任で行うことを前提に、以下の準備をしっかり整えてから作業を始めてください。
事前準備チェックリスト
- ノートパソコンなど、別のPCを用意しておく(トラブル時に情報を調べるため)
- 安定した電源環境を確保する(バッテリー駆動ではなく、コンセント接続で行う)
- 重要なデータのバックアップを取っておく
- BIOSファイルの入手先を公式サポートページで事前に確認しておく
- USBメモリ(FAT32でフォーマット可能なもの)を用意する
Minisforum BIOSアップデートの基本手順
Minisforumの多くのモデルでは、共通した流れでBIOSアップデートを行います。ここでは基本的な手順を解説します。
1. 公式サポートページからBIOSファイルを入手する
Minisforumの公式サポートページ(https://www.minisforum.com/new/support)にアクセスし、お使いのモデルに対応したBIOSファイルをダウンロードします。
ファイルは通常、7z形式で圧縮されており、解凍すると中にBIOSファイルや関連ツールが含まれています。必ずお使いのモデル名と一致するファイルを選んでください。
2. 起動可能なUSBメモリを作成する
用意したUSBメモリをFAT32形式でフォーマットします。ダウンロードして解凍したBIOSファイルを、USBメモリのルートディレクトリにコピーしてください。
モデルによっては、BIOSファイルに加えてUEFI Shellの起動ファイル(Shell.efi)が必要な場合があります。MS-01ではBIOSパッケージにShell.efiが含まれていないことがあり、別途入手する必要があると報告されています。
3. Secure Bootを無効化する
多くのMinisforumモデルでは、BIOSアップデートを実行する前にSecure Bootを無効化する必要があります。PCを起動し、起動直後に画面に表示されるキー(多くの場合DelまたはF2)を押してBIOS設定画面に入り、Secure Bootを無効に設定してください。
4. UEFI Shellを起動する
USBメモリを挿した状態でPCを再起動し、ブートメニュー(多くの場合F11またはF12)からUSBメモリを選択して起動します。UEFI Shellが起動したら、USBドライブを特定するためにfs0:やfs1:と入力してドライブを切り替え、lsコマンドでBIOSファイルが正しく認識されているか確認します。
5. BIOSアップデートを実行する
BIOSファイルが格納されたドライブで、アップデート用のスクリプトを実行します。多くのモデルではEfiFlash.nshまたはAfuEfiFlash.nshというファイルを実行します。
fs0:
EfiFlash.nsh
実行後は画面の指示に従い、アップデートが完了するまで絶対に電源を切らないでください。完了後に再起動がかかります。
6. BIOS設定を再適用する
アップデートが完了すると、BIOS設定はデフォルトにリセットされます。再起動後、もう一度BIOS設定画面に入り、Boot OrderやSecure Bootの設定など、以前の環境に合わせて再設定を行ってください。特にProxmoxやESXiを使用している場合は、仮想化関連の設定(VT-xやVT-dなど)が無効になっていないか確認しましょう。
モデル別の注意点とよくあるトラブル
Minisforumの製品はモデルによって細かい違いがあります。ここでは主要モデルごとの特徴的な注意点を紹介します。
Minisforum MS-01
MS-01は比較的アップデート手順がよくドキュメント化されているモデルです。ただし、BIOSパッケージにUEFI Shellの起動ファイル(Shell.efi)が含まれていない場合があり、その場合は別途入手する必要があります。
また、BIOSバージョンによっては特定のOS環境で問題が報告されることがあります。アップデート前に、自身の環境で動作確認が取れているバージョンを選ぶことをおすすめします。
Minisforum MS-A2
MS-A2ではBIOSバージョンに関する注意が必要です。一部のバージョン(例:1.03)が公式サイトから削除されたという報告があり、Proxmox環境で問題が発生したという情報もあります。
特に重要なのは、BIOSのバージョンダウングレードです。MS-A2では過去のバージョンに戻そうとすると文鎮化するリスクが高いとされており、基本的にバージョンダウングレードは避けるべきです。最新バージョンが必ずしも最適とは限らないため、事前にコミュニティフォーラムなどで情報収集を行うことをおすすめします。
Minisforum BD795i SE / BD795M マザーボード
マザーボードモデルのBD795i SEやBD795Mでは、公式のBIOSパッケージに必要なEFIフォルダが含まれていない場合があると報告されています。このような場合は、MS-01のBIOSパッケージからEFIフォルダを流用するという回避策が一部で試されているようです。
ただし、これはあくまで非公式な方法であり、安全性は保証されません。公式サポートに問い合わせるか、自己責任で対応する必要があります。
アップデートでよくあるトラブルと対処法
UEFI Shellが起動しない
Secure Bootが有効のままになっている可能性があります。BIOS設定でSecure Bootを無効にして再試行してください。また、USBメモリが正しくFAT32でフォーマットされているかも確認しましょう。
それでも起動しない場合は、Shell.efiファイルが不足している可能性があります。MS-01のようにパッケージに含まれていないモデルでは、別途入手する必要があります。
USBメモリがブートメニューに表示されない
USBメモリのフォーマット形式がFAT32以外(NTFSやexFATなど)になっている可能性があります。再度FAT32でフォーマットし直してみてください。また、USBポートを変えてみるのも効果的な場合があります。
アップデート後にOSが起動しなくなった
BIOSアップデート後に設定がデフォルトにリセットされていることが原因です。BIOS設定画面に入り、Boot Orderを確認してOSがインストールされたドライブが優先されるように設定し直してください。また、Secure Bootの設定も元の状態に戻す必要があるかもしれません。
特定のBIOSバージョンで問題が発生した場合
もし特定のバージョンで問題が発生した場合、基本的には新しいバージョンのリリースを待つか、公式サポートに問い合わせることをおすすめします。特にMS-A2のようにバージョンダウングレードにリスクがあるモデルでは、安易に戻そうとしないでください。
モデル別推奨BIOSバージョン(参考情報)
※バージョン情報は記事執筆時点(2026年6月30日)のものです。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
| モデル名 | 推奨バージョン | 備考 |
|---|---|---|
| MS-01 | 1.27 | 2025年4月リリース。安定性向上が報告されている |
| MS-A2 | 1.02 | 1.03は削除報告あり。ダウングレードは非推奨 |
| BD795i SE | 1.12 | EFIフォルダが不足する場合あり |
BIOSアップデートに関するよくある質問
Q. Windowsが入っていなくてもBIOSアップデートはできますか?
はい。UEFI Shellを使用する方法はOSに依存しないため、LinuxやProxmox、ESXiなどWindows以外の環境でも実行可能です。この記事で紹介した手順は基本的にWindowsを必要としません。
Q. BIOSアップデートに失敗したらどうなりますか?
最悪の場合、デバイスが起動しなくなる(文鎮化する)可能性があります。その場合はメーカーサポートに問い合わせる必要があります。一部のモデルではCMOSクリアで復旧する可能性もありますが、保証はできません。
Q. 最新のBIOSに必ずアップデートすべきですか?
いいえ。現在の環境で特に問題がなければ、無理にアップデートする必要はありません。アップデートにはリスクが伴うため、「安定して動作しているからそのまま使う」という選択も十分に合理的です。
まとめ:Minisforum BIOSアップデートを成功させるために
MinisforumのBIOSアップデートは、正しい手順を踏めばそれほど難しいものではありません。改めて重要なポイントを整理しておきましょう。
アップデート前にやること
- 公式サポートページで正しいBIOSファイルを入手する
- USBメモリをFAT32でフォーマットする
- Secure Bootを無効にする
- 電源環境を安定させる
アップデート中に気をつけること
- 絶対に電源を切らない
- モデルに合った正しいファイルを実行する
- MS-A2ではバージョンダウングレードを避ける
アップデート後にやること
- BIOS設定を再適用する(Boot Orderや仮想化設定など)
- OSが正常に起動するか確認する
BIOSアップデートは自己責任の作業です。不安な場合は、公式サポートに問い合わせるか、専門知識のある方に相談することをおすすめします。この記事が、Minisforumユーザーの皆さんのBIOSアップデートの参考になれば幸いです。

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